kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

教育

「物語を旅しよう」のサンプル・シナリオが公開されました

2019年の年度末に、遊学芸・保田琳さんにお願いして、TPRG型物語創作教材『物語の世界を旅しよう』をご制作いただきました。その制作の経緯などについては、以前、このブログの記事でもご紹介しておりますので、ぜひこちらをご覧いただければと思います。 ki…

文字が生きていた時代のことを、思い出すために~華雪《和紙に字を植える》

第43回川端康成文学賞・第39回日本SF大賞を受賞した、円城塔の『文字渦』。 その帯には、「昔、文字は本当に生きていたのだと思わないかい?」と書かれていて、本書の新刊が、店舗の店先に並んでいる頃には、この帯の文言を見るたびに、心を打たれた。兵馬俑…

国際子ども図書館「絵本に見るアートの100年」展

昨日1日お休みをいただけたので、国立国会図書館国際子ども図書館で1/19まで開催していた「絵本に見るアートの100年―ダダからニュー・ペインティングまで」展に、すべりこんできました。 今年度から、横浜国立大学附属横浜小学校でいっしょに授業のお話など…

言葉の教育の研究者として授業研究に関わる~石川晋『学校とゆるやかに伴走すること』

先週末、ようやく、教員免許更新講習も終わり、ようやく「万が一、倒れてしまってもどうにかなる」というくらいの予定になってきたので、本棚に入ったまま、開くことすらできずにいた、石川晋(2019)『学校とゆるやかに伴走するということ』(フェミックス)…

書く。部@「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」展

水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催されている「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」。本プログラム内の「部活動」として開催されている「書く。部」に、「顧問」として参加しています。 アートセンターをひらく 第Ⅱ期 部活動|現代美術ギャラリー|水戸芸術館 …

ささやかな感情の波に言葉をつける~ZENタイル

以前、こちらのブログ記事にも書きましたが、だれか(何か)の助けを得ながら、自分の身体の状態を語るための言葉を見出すこと、それによって(自分自身に)どのような変化が起こるのかを感じとることに、興味があります。 kimilab.hateblo.jp この記事では…

「言葉する者(Languager)」になるための辞書あそび~「コレハヤ辞典」

今年度の大学院の授業「国語カリキュラム論演習Ⅱ」では、何回か、わたしが今、考えている言葉の教育のアイデアについて発表し、それに関わる活動なども入れながら、ディスカッションをしてもらっています。先週と今週は、2週間連続で、わたしが発表するター…

全国大学国語教育学会ラウンドテーブル「国語科教育における『読解力』を問い直す:リーディングスキルテストをめぐる議論を中心に」

2019年10月26日から27日にかけて開催された、全国大学国語教育学会仙台大会(プログラムPDF)では、2日目に「国語科教育における『読解力』を問い直す:リーディングスキルテストをめぐる議論を中心に」と題されたラウンドテーブルが開催されました。 ラウン…

文学者にまなび、あそぶ!現代メディアの文章表現~『メディア・リテラシーを高めるための文章演習』

酒井信(2019)『メディア・リテラシーを高めるための文章演習』(左右社)を読みました。 わたしが担当している「初等教科教育法(国語)」の中で、ある学生たちのグループが「炎上」をテーマにした模擬授業を考えたい! と言っていて、その学生たちと「どん…

「好奇心(curiosity)」と「質問をすること(Asking questions)」~Raquell Holms「STEAM教育へのパフォーマンス・アプローチ」

筑波大学東京キャンパスで行われた、「インプロサイエンス(Improvscience)」のRaquell Holms先生によるセッションに参加してきました。(以下、Dr. Raquell Holms「STEAM教育へのパフォーマンス・アプローチ」案内より) 「STEAM教育へのパフォーマンス・ア…

ノルディックLARPのミニゲームを体験しよう~『ノルディックLARP体験@TRPGフェス2019』

今年のTRPGフェスでは、日本RPG学研究会(JARPS)のメンバーとして、「ノルディックLARP(社会・芸術的な教育LARP)体験」のためのシナリオ翻訳や当日の運営サポートなどに関わっておりました。 今回の「ノルディックLARP体験」の中で紹介されたのは、フェミニ…

やってみよう!TRPG型物語創作教材『物語の世界を旅しよう!』

昨年度、電気通信普及財団による助成研究「デジタルメディア社会における「情報活用能力」育成に向けた基礎理論の構築」(共同研究)(PDF)成果を踏まえたTRPG型教材の制作を遊学芸・保田琳さんに依頼し、2019年3月に、その成果物である『物語の世界を旅しよ…

パフォーマンス学習の場としての模擬授業をやってみた。

今日は、わたしが学部で担当している「初等教科教育法(国語)」の最終回でした。 「初等教科教育法(国語)」は、学部2年生対象の必修授業です。約240名を春学期2クラス、秋学期2クラスの計4つのクラスに分けて実施するのですが、現在はそれをすべてわたし…

学校教科書で「音楽する(musicing)」~大谷能生『平成日本の音楽の教科書』

大谷能生『平成日本の音楽の教科書』 (よりみちパン! セ)を読みました。 あの(!)大谷能生さんが、平成時代の小学校・中学校・高等学校の音楽教科書のみならず、なんと平成元年(1989年)、平成10年(1998年)、平成20年(2008年)に改定されてきた学習指…

「物語の段階」を遊ぶ!~『じっくりミレー』と鑑賞教育

大学院の授業では、『メディア・リテラシーの教育(ことばの授業づくりハンドブック)』(奥泉香編、2015、渓水社)をテキストにしながら、主に、中学校・高等学校の国語科でのメディアを用いた言葉の教育や、メディア・リテラシーの教育について議論してい…

文学×ゲーム×プログラミング!『ミッションメーカー:マクベス』パイロット調査版【終了しました】

3月下旬に、NPO法人ratikより、アンドリュー・バーン『19歳までのメディア・リテラシー:国語科ではぐくむ読む・書く・創る』を無料公開しました。 ratik.org 本書のまえがきにも書きましたが、著者のアンドリュー・バーン先生は、国語教育(English)、メデ…

インターン受入担当のための異文化間発達トレーニング~若者のための発達学校(Developmental School for Youth)

East Side Instituteのご厚意で、日本の研究者や実践家、学生のために特別プログラムとして開講された、3泊4日の「Immersion Program for Japanese scholars/students」(3/6~3/10)に参加してきました。 loisholzman.org 「Immersion Program」の名のとおり…

「リフレクション(省察)で教師は育つ!」@紀伊国屋書店新宿本店 イベント・レポート

紀伊国屋書店本店9階イベントスペースで開催された、「リフレクション(省察)で教師は育つ!~『リフレクション大全』『リフレクション入門』『小学校の模擬授業とリフレクションで学ぶ 授業づくりの考え方』刊行記念セミナー」に参加してきました。 www.k…

パフォーマンス学習の場としての模擬授業~渡辺貴裕『授業づくりの考え方』~

前の記事でも書きましたが、体調が万全に回復しないのを良いことに、自分のインプットのための時間を作っています。 その中で、教職課程での授業との関わり方について、静かに考えなおすきっかけをもらえるような2冊の本と出会いました。 1つは、C. A. ト…

ダークペダゴジーとしての評価を再考する~『一人ひとりをいかす評価』~

あまり体調が芳しくないことを良いことに、遠出するような予定はすべてあきらめて、家で、本を読んだり、映画を観たりしています。 おかげさまで、ようやく、インプットのための時間をとることができ、とてもありがたい。 もっともありがたかったのは、この…

言語学TRPG「ダイアレクト(Dialect)」で遊んでみた

Thony Gameの『ダイアレクト(Dialect)』のプレイ体験会を開催しました。 「ダイアレクト(Dialect)」とは、「方言」「通語・隠語」という意味。 日本語だと「方言」といえば、ほぼ、関西弁や東北弁などの「地域方言」しかイメージされないことが多いのですが…

トライアルワークショップ『パフォーマンスに基づく新しい教員研修の方法』

「パフォーマンス心理学研究会」による12月の研究会(ワークショップ)に参加してきました。 「トライアルワークショップ『パフォーマンスに基づく新しい教員研修の方法』」というタイトルで、講師は、宮本万里さん。 3時間のワークショップでしたが、あっ…

ロイス・ホルツマン『太りすぎの脳(Overweight Brain)』第1回研究会

2018年12月27日(木曜日)13:00より、明治大学中野キャンパス(JR中野駅から徒歩5分)にて、ロイス・ホルツマン『太りすぎの脳(Overweight Brain)』の第1回研究会(翻訳検討会)を開催いたします。 本書『太りすぎの脳~知ることへの脅迫観によって、私た…

絶望的な社会と、ロバストなわたしたち~「マイ・チャイルド: レーベンスボルン」

東京ゲームショウ2018のインディーズ・ゲーム・コーナーで出会った、「マイ・チャイルド: レーベンスボルン」をついにクリアしました。 kimilab.hateblo.jp このゲームについては、すでにいろいろなところで、レビューも出ているようなので、どのようなゲー…

図書館総合展ゲーム部フォーラム「図書館サービスとしての『ゲーム』活用」レポート

2018年10月30日~11月2日にかけて開催された「図書館総合展」の初日に、図書館総合展ゲーム部フォーラム「図書館サービスとしての『ゲーム』活用」が開催されるということで、フォーラムに参加してきました。 図書館における所蔵資料としてのゲームや、利用…

【TGS2018】教育や社会とかかわるゲームを求めて:インディーゲームコーナー

「東京ゲームショウ2018」におけるゲーム・レポート、第3段。 「東京ゲームショウ2018」の見どころのひとつしても紹介されることのある「インディーゲーム」コーナー。実際、東京ゲームショウのビジネスデー最終日には「センス・オブ・ワンダーナイト」とい…

【TGS2018】ゲームスクールコーナーに行こう!

今回、東京ゲームショウに初参戦して、わかったことがたくさんありました。 東京ゲームショウについては、毎年、マスコミでも多く取り上げられているのですが、ニュースの焦点は、ほぼ来場者数の多さと、コンパニオン&コスプレイヤーのレポ。 なんだこれ、と…

【TGS2018】ゲームアプリ「図書館ガイダンス リバードリィ」、東京ゲームショウに出展!

「東京ゲームショウ2018」に行ってきました! …というか、「常磐大学ゲーミフィケーション研究会」のメンバーとして、ゲームスクールコーナーで出展してきました! www.tokiwa.ac.jp www.4gamer.net 今回、東京ゲームショウに出展するに至った主な理由は、な…

全国大学国語教育学会ラウンドテーブル「国語教育における即興的パフォーマンスとしての学習 」

全国大学国語教育学会2018秋大会のプログラムが、ホームページ上に公開されました。 プログラムは、こちらからPDFでダウンロードできます。 www.gakkai.ac わたしは、2日目(10/28(日))の午前中に開催される課題研究シンポジウムで、コーディネーターとし…

こども×アート×ワークショップの原点~「ブルーノ・ムナーリ」展@神奈川県立近代美術館葉山

先週末まで、神奈川県立近代美術館葉山で開催されていた、「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」展に行ってた。 「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」展:神奈川県立近代美術館<葉山館> 神奈川県立近代美術館…