kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

研究

わかちあえない記憶をともに支える共同体は可能なのか~サトウアヤコ「日常記憶地図 in 福島県双葉町」

日本質的心理学会・研究交流委員会企画として開催された、サトウアヤコ「日常記憶地図」のワークショップに参加してきました(チラシPDFはこちら)。 日本質的心理学会研究交流委員会企画「日常記憶地図」ワークショップ・フライヤー 【研究交流委員会企画 …

「ひらく」ためのウィキペディア ~ウィキペディアタウン in 茨城

7月22日に茨城県立図書館で、開催された「ウィキペディアタウン in 茨城」に参加してきました。 「茨城県立図書館での初のウィキペディアタウン!」と聞いて、「あれ?以前、水戸で開催していなかったっけ?」と思ったのですが、あれは、茨城県立図書館では…

トガルための100作品:フィクショナルな言語世界と感情のリアリティ~滅びゆく言語のロールプレイング・ゲーム『ダイアレクト(Dialect)』

先月、2022年7月16日に開催された、言語文化教育研究学会(ALCE)第87回例会「トガルためのビブリオバトル」の主催者の方からお声がけいただき、バトラーとして参加することになりました。 本日夜9時から行われる、言語文化教育研究学会 @alce_gbkk のビブリ…

物語を駆動する力の発生源について考える~インプロとTRPGと

インプロやドラマ教育関係の研究会でお知り合いになった先生(ご自身もインプロヴァイザーとして、公演の主催・出演もなさっています)からのお声がけをいただき、現在、一緒に「はじめてのTRPG(クトゥルフ第6版)プレイ体験会」シリーズ(仮称*1で遊ばせてい…

パフォーマンス心理学関連シンポジウムの報告書が公開されました

2019年3月に参加してきたイーストサイド・インスティテュート(East Side Institute)のイマージョンプログラムで得た経験や知見をなんとか日本につなげたい!という思いから、2年間にわたり、日本質的心理学会大会での会員企画シンポジウムの企画にかかわっ…

コモン(共有地)としての「事実」を考える~「教育言説のファクトチェック:プレ入門」

NPO法人教育のためのコミュニケーションによる読書会イベント「教育言説のファクトチェック:プレ入門編」に参加しました。 「教育言説のファクトチェック プレ入門編」 EVENT|教育言説のファクトチェック<プレ入門編> 岩波ブックレットとして発行されて…

行動主義的児童虐待と子どものレジリエンスー『立派なこどもの育て方(Birthmarked

Netflixで公開されているインディー映画『立派なこどもの育て方(Birthmarked)』(2018年、カナダ映画、エマニュエル・ホス=デマレ監督)を観た*1。 Birthmarked Trailer #1 (2018) | Movieclips Indie この映画、とあるサイトのレビューで、「科学的児童虐…

善意の暴走と「心理学化」~『「発達障害」とされる外国人の子どもたち』

2月末に発売されたばかりの、金春喜(2019)『「発達障害」とされる外国人の子どもたち――フィリピンから来日したきょうだいをめぐる、10人の大人たちの語り』(明石書房)をさっそく入手して、読みました。 本書が発売される少し前に、明石書房のTwitterで本書…

「言葉する者(Languager)」になるための辞書あそび~「コレハヤ辞典」

今年度の大学院の授業「国語カリキュラム論演習Ⅱ」では、何回か、わたしが今、考えている言葉の教育のアイデアについて発表し、それに関わる活動なども入れながら、ディスカッションをしてもらっています。先週と今週は、2週間連続で、わたしが発表するター…

全国大学国語教育学会ラウンドテーブル「国語科教育における『読解力』を問い直す:リーディングスキルテストをめぐる議論を中心に」

2019年10月26日から27日にかけて開催された、全国大学国語教育学会仙台大会(プログラムPDF)では、2日目に「国語科教育における『読解力』を問い直す:リーディングスキルテストをめぐる議論を中心に」と題されたラウンドテーブルが開催されました。 ラウン…

TRPGフェス2019企画②:ノルディックLARP(社会・芸術的な教育LARP)体験

9/6~9/8に開催される「TRPGフェス2019」 の中でのJARPS(日本RPG学研究会)企画情報、第2弾です。 昨年度の学術LARP企画「安心からの脱出:Village,Shelter, Comfort(芸術型教育LARP)」(togetterによるまとめは、こちら)に引き続き、今年度も、ノルディッ…

TRPGフェス2019企画①「RPG学研究への招待:アナログ・ロールプレイング・ゲーム・スタディーズ」

今年も、「TPPGフェス2019」が開催されます。 trpgfes.jp わたしは昨年度、「TRPGフェス」初参加!で、なぜか、口頭発表パネルの司会を務めたり、ノルディックLARP(政治・芸術的な教育LARP)「安心からの脱出」でNPCを勤めたりしておりました。 kimilab.hateb…

文学×ゲーム×プログラミング!『ミッションメーカー:マクベス』パイロット調査版【終了しました】

3月下旬に、NPO法人ratikより、アンドリュー・バーン『19歳までのメディア・リテラシー:国語科ではぐくむ読む・書く・創る』を無料公開しました。 ratik.org 本書のまえがきにも書きましたが、著者のアンドリュー・バーン先生は、国語教育(English)、メデ…

インターン受入担当のための異文化間発達トレーニング~若者のための発達学校(Developmental School for Youth)

East Side Instituteのご厚意で、日本の研究者や実践家、学生のために特別プログラムとして開講された、3泊4日の「Immersion Program for Japanese scholars/students」(3/6~3/10)に参加してきました。 loisholzman.org 「Immersion Program」の名のとおり…

パフォーマンス学習の場としての模擬授業~渡辺貴裕『授業づくりの考え方』~

前の記事でも書きましたが、体調が万全に回復しないのを良いことに、自分のインプットのための時間を作っています。 その中で、教職課程での授業との関わり方について、静かに考えなおすきっかけをもらえるような2冊の本と出会いました。 1つは、C. A. ト…

言語学TRPG「ダイアレクト(Dialect)」で遊んでみた

Thony Gameの『ダイアレクト(Dialect)』のプレイ体験会を開催しました。 「ダイアレクト(Dialect)」とは、「方言」「通語・隠語」という意味。 日本語だと「方言」といえば、ほぼ、関西弁や東北弁などの「地域方言」しかイメージされないことが多いのですが…

トライアルワークショップ『パフォーマンスに基づく新しい教員研修の方法』

「パフォーマンス心理学研究会」による12月の研究会(ワークショップ)に参加してきました。 「トライアルワークショップ『パフォーマンスに基づく新しい教員研修の方法』」というタイトルで、講師は、宮本万里さん。 3時間のワークショップでしたが、あっ…

【TGS2018】教育や社会とかかわるゲームを求めて:インディーゲームコーナー

「東京ゲームショウ2018」におけるゲーム・レポート、第3段。 「東京ゲームショウ2018」の見どころのひとつしても紹介されることのある「インディーゲーム」コーナー。実際、東京ゲームショウのビジネスデー最終日には「センス・オブ・ワンダーナイト」とい…

【TGS2018】ゲームスクールコーナーに行こう!

今回、東京ゲームショウに初参戦して、わかったことがたくさんありました。 東京ゲームショウについては、毎年、マスコミでも多く取り上げられているのですが、ニュースの焦点は、ほぼ来場者数の多さと、コンパニオン&コスプレイヤーのレポ。 なんだこれ、と…

【TGS2018】ゲームアプリ「図書館ガイダンス リバードリィ」、東京ゲームショウに出展!

「東京ゲームショウ2018」に行ってきました! …というか、「常磐大学ゲーミフィケーション研究会」のメンバーとして、ゲームスクールコーナーで出展してきました! www.tokiwa.ac.jp www.4gamer.net 今回、東京ゲームショウに出展するに至った主な理由は、な…

「書く。部」によるギャラリーガイド~『チュートリアル:ポスト・ヒューマン時代の歩き方』と『GAME 超人類転生』

水戸芸術館現代美術センター「高校生ウィーク」の一環として開催した連続ワークショップ「書く。部」が、昨日、無事に終了いたしました。 イベントの詳細については、こちらをご覧ください。 書く。部第1回 対話型鑑賞「ハロー・ワールド」展 書く。部第2…

「Tokyo Art Research Lab」初年度成果レポートに寄せて(2011年3月)

「東京アートポイント計画」のスタッフの方々より、インタビューの依頼を受け、アーツカウンシル東京ROOM302まで、行ってきました。 わたしは、2009年度~2010年度、東京文化発信プロジェクト(公益財団法人東京都歴史文化財団)だった頃の、「東京アートポ…

プログラミング言語の学習カリキュラムをどう組み立てるのか?―愛和小学校×Ludix Lab「i和design冬期講習会」より

きたる3/21~3/25に、NHKのEテレにて子ども向けのプログラミング学習番組『Why? プログラミング』が放送されるそうです。 先日、NHKにて、出演者の厚切りジェイソンさんによる取材会が行われ、その後、オンラインを中心に話題が広がっています。 www.oricon.…

一人称代名詞という主戦場――スーザン・クークリン『カラフルなぼくら』

私を呼ぶときの代名詞には、本当は〈彼ら〉を使ってもらいたいんだ。男と女の両方が自分の中にいると思うから。でもそれを理解できる人はほとんどいないので〈彼〉でいいよ。長い間ずっと〈彼女〉だったから、そろそろ交代してもいい時期だ。女子でいるのは…

黒人女性ラップにおける対話―『ブラック・ノイズ』

2015年5月6日に、トリーシャ・ローズ(2009)『ブラック・ノイズ』の輪読会が行われました。 私は、第5章「悪女たち:黒人女性ラッパーと性の政治学」を担当したのですが、本章で行われている議論がとても面白く、私自身が、今後、サブカルチャーやポピュラー…

「いばらきデジタルコンテンツソフトウェア大賞2014<アプリ部門>」審査委員会に参加してきました!

「いばらきデジタルコンテンツソフトウェア大賞2014<アプリ部門>」審査委員会に、「常磐大学ゲーミフィケーション研究会」のメンバーとして参加してきました。「いばらきデジタルコンテンツソフトウェア大賞」とは、「デジタルコンテンツやソフトウェア(…

【保存版】レポート・論文で「問い」を立てられないときのヒント

今週のお題「書くこと」 …というわけで、レポート・論文を「書くこと」をサポートする仕事をしているので、この機会に、レポート・論文(卒業論文を含む)を書くために便利なWEBサービスやWEBサイトのまとめをしておきたいと思います。もちろん、「レポート…

防災の日だよ!『SHUFFLE』で遊ぼう!

大学の授業が8月18日に終了し、成績を提出してようやく一段落・・・と思っていたら、あっという間に9月です。 9月1日は「防災の日」! ・・・というわけで、我が家も防災訓練!・・・はできないのでせめて防災カードゲームで遊んでみました。 いつもは2人しかい…

北澤潤《リビングルーム イン ネパール》

研究の世界を問い直すプロジェクト アートプロジェクトの世界と研究の世界を行ったり来たりできる、というなんとも得がたい身分にある私にとって、もっとも幸せなこと。 それは、なんといっても、研究の世界にヴィヴィッドな洞察や知見をもたらしてくれる作…

【まとめ】特有の「学びのデザイン」がみられる東京近郊の施設まとめ(2)プログラム・イベントやワークシートで学びを支援する施設

先日、「特有の『学びのデザイン』がみられる東京近郊の施設まとめ(1)」として、新しいコンセプトや理念に基づいた施設をまとめました。 今回はその続きで、施設そのものはすでに以前からあるものを利用しつつ、新しいプログラムをインストールしたり、イ…