kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

みなとメディアミュージアム2011に行ってきました!

〜「よそものが失礼いたします!」〜

先日、慶應義塾大学SFCの学生が中心となって実行委員会を組織しつつ展開している、「みなとメディアミュージアム2011」にいってきました。

※写真は阿字ヶ浦の駅


遠く神奈川県の藤沢から学生さんがいらっしゃって、運営しているというアートイベントでそれだけでも大変そうだと思うのですが、さらにこの暑さ!
スタッフの方々は本当にお疲れさまです。

さて、みなとメディアミュージアム
同僚の先生に「来てね★」と言われていってみたものの、なかなか不安でいっぱいでした。
・・・というのもホームページ見ていただけるとわかるのですが、まず、「アクセス」に、「展示駅」=「中根」「那珂湊」「阿字ケ浦」と書いてあるものの、それら3つの駅の構内に作品が置いてあるよ〜ということなのか、あるいはどこかの駅の周辺エリアを中心に展開しているのかいまいちわからず、いったいどこからアプローチしたら良いのやら・・・という感じでした。
さらにDMでは、「アクセス」としてなぜか関東の地図が掲載されていたりして(!)さらに謎は深まるばかり・・・。なかなか「ツン」な広報計画でした。


そして「参加作家」では、その名のとおり参加作家のプロフィールは紹介されているものの、実際イベントではどのような作品が展示されているのかわかる手がかりとなる情報がなく・・・「展示情報」のページもまだ記載がなかったりして、うーん、どうしたものやら・・・といった感じでした。


それでもとりあえず、「展示駅」=「中根」「那珂湊」「阿字ケ浦」と書いてあるのだから、その中のひとつの駅までいってみよう!・・・ということで、=「那珂湊」駅へ行ってみたのですが、これがどうやら「正解」でした。
今からみなとメディアミュージアムに行ってみようかな?という方は、「展示情報」というページのアートマップにしたがって、とにかく「那珂湊」駅に直行することをおすすめします。

那珂湊駅では、作品展示マップなども掲載されているパンフレットとアンケートがもらえます。それをもらって、作品鑑賞へGO!・・・というのがもっともよい見方なんじゃないかな〜と思います。


さて、そんな「みなとメディアミュージアム2011」。
このイベント、実は今年で3年目だそうで、それゆえの(?)さまざまな課題も見えつつも、いろいろな意味で、社会のしがらみとか地域のしがらみとかをまったく知らずにのほほんとくる学生らが主体となってやっていて、それをなんとか実現するために支援しようという商店街がいるからこそできてしまう、アーティストの思いつきの実現も見られたりして、それがちょっとおもしろかったです。



例えば、本庄絵梨子さんの立体作品。

神社の敷地内に置くなんて、地域の人からクレームがきたらどうするんだろう!?・・・と、心配性のわたしはかなりドキドキしてしまった作品なのですが、ここに置きたいというアーティストの気持ちや、ここを通りすがる人たちの気づいたときの不思議なばかされたような感覚(それこそ、「狐につままれた心地」?)やらが、ふわっと想像できて、とてもすてきな作品だと思いました。



こういう、もともとあった風景の「見え」を変える作品こそ、やっぱり、アートが地域や社会にでてくる醍醐味だろうとナイーブに信じているところもあるので、やはり、わざわざ「ギャラリー」という箱を作って展示している作品よりも、このような作品のほうが見た甲斐があるように思います。


那珂湊駅にある原田史子さんの作品。愛着を感じさせてやまない。


そういう意味で、
那珂湊駅の近くの看板にあった「よそものが失礼いたします!」(・・・だったかな?)という文句が、とてもこのイベントにしっくりきているような気がしました。
もちろん、厳しいことをいえば、それが悪い方向に機能してしまっているかな、というところもなきにしもあらずではあったけれど、それが絶妙な感覚で良いケミストリーを起こしているところもあった、と思う。


おそらく、今年でこのイベントが3年目ということは、そういうことを見つめ直すチャンスなのでしょう。
この3年間でなにがよくて、なにがよくなかったのか。
そのことをぜひ考えてみてほしいなぁと思います。