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kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

海底広域研究船「かいめい」に限界芸術の継承を見る

JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)横須賀本部の施設一般公開に参加してきました。

はじめて参加したイベントだったので、展示の内容や規模などよくわからないまま、午後からふらっと参加してきたのですが…、そんな心構えではまったく全部見切れないほどの内容充実っぷりでした!

こちらから本日配布されたガイドマップ(PDF)がダウンロードできるので、興味のある方はご覧いただきたいのですが、公開されている施設全11館+海底広域研究船「かいめい」で全12箇所。

 しかもその1つ1つに、広大な海の世界を探検してきた(姿形もかわいらしい)猛者たちがたくさん展示されている上に、それらの調査船・調査機器のひとつひとつ「説明したい!」「語りたい!」という熱意あふれるスタッフの皆さんがしっかり張り付いていらっしゃるので、いくら時間があってもたりません。

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そんな素敵な展示と心躍る解説が数多くある中、

今年公開されていた海底広域研究船「かいめい」の内部に、「花毛布」「飾り毛布」と呼ばれる毛布のアートワークが展示されており*1「かいめい」に乗船する研究者・船員の皆さんの限界芸術における技術継承の痕跡を見ることができ、いたく感動いたしました。

 

写真の技術がおよばずまったく伝わらないのですが、わたしの感じた感動の片鱗だけでもお伝えできればと思います。

 

まずは、こちら。「孔雀」!

凛としたお姿が大変美しく表現されています。

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その次…「二輪草」

タイトルの付け方に、美意識を感じざるを得ません。「二輪草」…。

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そして、「菊水」

「菊水」のすばらしさは、なんといっても、毛布の端にある白い帯の部分をうまく活用した点にありますよね。奥から水が流れてくるような展示の仕方も実に美しいと思います。

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お次は、「流れ星」

こちらも白い帯の部分の使い方に、技術継承の跡が見られますね。

星の周囲の部分を白地でかたどり、なかなかポップでかわいらしい作品です。

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次に、おめでたいものシリーズを紹介します。

まずは、「富士山」

「菊水」と同様、毛布の端にある白い帯の部分をうまく活用し、富士の背後から立ち上る後光を表現しています。

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最後に、「松竹梅」

「竹」と「梅」はなんとなくわかるような気がするけれど、「松」がどこにあるのかわからない(たぶん右の後ろ側?)のはご愛敬です。

よくぞひとつの毛布で、ここまで自立できる形を創れるものだと素直に感動してしまいます。

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これらの「花毛布」「飾り毛布」は、昔、客船の寝室で来客へのサービスとして提供されていたもののひとつらしいのですが、おそらく、こういう作品の数々は、はじめ「見立て」から生み出されるのだと思うのですよね。

 

 

夜寝る前に毛布をいじってて…あるいは毛布を折りたたんでいたときに見えた何かの拍子にそれがなにかに見えた。

何かに見えたら、今度は何かが創りたくなる。ひとつ何かができると、もっと面白いものが創りたくなる。

 

「飾り毛布」「花毛布」の場合は、それが客船の中でのおもてなしとして発展し、その技術が継承されていったのだと思いますが、私たち人間のクリエイティビティ(創造性)の根本って、そういうところにあるんじゃないか、と思うのです。

 

「かいめい」の船員の皆さんの技術継承と日々の創造の結晶を、思いもよらず、こんなかたちで目にできたことは、私にとって本当に楽しく、うれしいことでした。

 

調べてみたところ、2014年の施設公開の際には「花毛布」体験ができるブースも存在していたとのこと。ぜひ次回以降、どこかで「花毛布」が体験できたらいいなぁ…!と思わずにいられません。

*1:2014年の施設公開の際には、「花毛布体験」ができたらしい。やってみたかった…。