kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

2D映像表現の革命的試み―『ハードコア』

やりたくないと思っている仕事の準備を丸一日かけてやっていたら(?)、突然発熱するわ、腹痛が起きるわ、吐き気をもよおすはの非常事態に。
「もうこれは無理!」ということで、気分を一掃するために、FPSアクション映画『ハードコア』観てきました!


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4/1(土)公開『ハードコア』本予告篇

 

一人称視点で撮影された映画のシーンは数多くあるわけだけど、映像体験としては、ディズニーランドの「スターツアーズ」「ミクロアドベンチャー」、USJの「ターミネーター」などのアトラクションに近い。


それらのアトラクションのような映像体験が、オーディエンス(スターツアーズの乗客、講演の観客など)視点ではなく、他でもないヒーロー自身に設定されているという点が、たしかに「革命的」。
監督自身が、この記事のインタビューのなかで、「最も複雑だったのは、レファレンスがなにもなかったことです」と語っているけれど、本当にそうなんだろうな…と思う。

 

www.gizmodo.jp


過去の映画・映像作品の中から「どうすれば上手くいくのか? そして、どうやったら自分なりのひねりを加えられるのか?」を学ぶことができず、いくつかの過去作品の中で使われている手法の断片のみを手がかりに、あとは現場での即興的な撮影を何度も繰り返していく…という力任せで作られた映像は、「新しい映像体験」の実験的な試みであふれていて、それがすごく面白い。

 

もちろん実験には失敗もつきもので、「もっとここは洗練させてほしい」という部分もあったり、何より、映像酔いが激しすぎて、気分転換にいったはずなのに帰り道でふたたび、吐き気に襲われるという事態になったりはしたのですが(汗)

 

「3D」とか「4D」とか、映画館そのものが新たな映像体験を可能にしようとする動きがある一方で、まだまだ映像にだってできることがあるはずだ!というそんな可能性を見られる映画でした。

関東近辺で見られるのは、あとわずかですが、ご興味のあるかた(の中で、3D酔いと乗り物酔いに耐えられる方)はぜひ!

個人的には、『三国無双』『戦国無双』的な「草刈り」(たくさん襲ってくる敵をバサバサなぎ倒していく)と、『スーパーマリオ・ブラザーズ』的な、空中に浮かびあがる敵を踏み台にしてジャンプ!が一人称視点で体験できたことが、至福でした。