kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

プレイフルに言葉を生みだす体験を共有すること~全国大学国語教育学会2021春大会公開講座「言葉のティンカリングとことばあそび」

全国大学国語教育学会2021春大会の公開講座「言葉のティンカリングと言葉遊び」に参加してきました。 askoma.info 2021年6月15日までの期間限定で、Youtubeの記録動画が公開されている。 3時間にもわたる(!)記録動画なので、全部を視聴するのもなかなか…

パフォーマンス心理学関連シンポジウムの報告書が公開されました

2019年3月に参加してきたイーストサイド・インスティテュート(East Side Institute)のイマージョンプログラムで得た経験や知見をなんとか日本につなげたい!という思いから、2年間にわたり、日本質的心理学会大会での会員企画シンポジウムの企画にかかわっ…

オートライフヒストリーの方法論~タラ・ウェストーバー『エデュケーション(Educated: A Memoir)』

タラ・ウェストーバー(2020)『エデュケーション( Educated: A Memoir)』を、読んだ。 Amazonのページにある華々しい紹介文や、推薦コメント、そして邦訳につけられた「大学は私の人生を変えた」から推察されるように、この本は、「モルモン教サバイバリスト…

『あらためて、ライティングの高大接続』往復書簡を受けて

ひつじ書房のウェブマガジン『未草』の中に、今年4月から、「Book Review」の姉妹編として「Letter: Black Sheep and white Sheep」というコーナーが設けられています。 Letters:Black sheep white sheep | 未草 このはじめのシリーズとして、『あらためて…

ドリームランド、夢の跡地を生きる神鹿たち

横浜に移住いしてきたときから「行きたい」と繰り返し言いつつ、なぜか、行くことができなかった、横浜ドリームランド跡地に行ってきました。 旧ドリームランドに興味がありすぎて、年に一度の、横浜薬科大学の先生方との邂逅の折には、本来の業務も忘れて、…

自閉症的世界のトランスレーションのトランスレーション~映画『僕が跳びはねる理由 (The Reason I Jump)』

シネマジャックアンドベティで、映画『僕が飛び跳ねる理由( The Reason I Jump)』を鑑賞してきました。 www.youtube.com hbol.jp 日本語版のタイトルが、東田直樹さんの原作タイトル『自閉症の僕が跳びはねる理由』ほぼそのままなので、『自閉症の僕が跳びは…

非可知(unknowable)な世界のサバイバーーともに学んできた4年間を振り返って

今日は、勤務先の大学の卒業式でした。 緊急事態宣言が直前まで続いていたことから、全学行事としての「卒業式」は中止となり、領域単位での「学位授与式」だけが執り行われました。 それでも、やっぱり、今日は「卒業式の日」なんだと思います。 今日は、一…

コモン(共有地)としての「事実」を考える~「教育言説のファクトチェック:プレ入門」

NPO法人教育のためのコミュニケーションによる読書会イベント「教育言説のファクトチェック:プレ入門編」に参加しました。 「教育言説のファクトチェック プレ入門編」 EVENT|教育言説のファクトチェック<プレ入門編> 岩波ブックレットとして発行されて…

行動主義的児童虐待と子どものレジリエンスー『立派なこどもの育て方(Birthmarked

Netflixで公開されているインディー映画『立派なこどもの育て方(Birthmarked)』(2018年、カナダ映画、エマニュエル・ホス=デマレ監督)を観た*1。 Birthmarked Trailer #1 (2018) | Movieclips Indie この映画、とあるサイトのレビューで、「科学的児童虐…

身体と感情でジェンダーを問う―ダレデモデラルテvol.2「ザ・ベクデルテスト」

即興劇場「ダレデモデラルテ」による公演・第2弾として行われた「ザ・ベクデルテスト」の公演(午前の部)を鑑賞しました。 ダレデモデラルテvol.2 ザ・ベクデルテスト ◆即興劇場ダレデモデラルテ vol. 2 「ザ・ベクデルテスト」 ご観覧ありがとうございま…

子どもの「お仕事」―映画『モンテッソーリ 子どもの家』

フランス最古のモンテッソーリ学校に通う子どもたちを、2年3カ月にわたって観察・記録し続けた、教育ドキュメンタリー映画『モンテッソーリ 子どもの家』を観にいきました。 『モンテッソーリ 子どもの家』 わたしは、映画を鑑賞後に、公式ホームページを…

「老い」をめぐる悲劇的なナラティブと出会いなおす―『インプロがひらく〈老い〉の創造性』

高齢者パフォーマンス集団「くるる即興劇団」を主宰されている園部友里恵さんより、「くるる即興劇団」のアクションリサーチ本『インプロがひらく〈老い〉の創造性』(新曜社)をご恵投いただきました。 「くるる即興劇団」という名前を知って、すぐに興味を…

「ほっといてください」の感情共有装置―宇佐美りん『推し、燃ゆ』

ようやく、宇佐美りん『推し、燃ゆ』を読んだ。 芥川賞受賞作であり、かつ本屋大賞にもノミネートされていることもあり、とにも書くにも評判は高いのだが、本の「あらすじ」を見ようとしても、ほとんど、帯コピー(「推しが炎上した。ファンを殴ったらしい。…

遠くから思いを馳せざるをえない時代のアートー「メゾン・ケンポクの何かはある2020」アーカイブサイト

昨年(2020年)1~3月に開催されていたメゾン・ケンポクの「何かはある」。 メゾン・ケンポクの『何かはある』(メゾン・ケンポク、茨城県北各地) 今年開催が予定されていた「何かはある2021」も、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一部プログラ…

ミスリード情報をリツイートしてしまった話――フェイクニュースとの付き合い方

先日、BuzFeed Japanによるファクトチェック記事「新型コロナワクチン、「感染予防効果なし」は誤り」が公開されました。 www.buzzfeed.com マスメディアによる、いわゆる「反ワクチン」報道については、これまでも話題になってしましたが、それに対して、Bu…

文部科学大臣記者会見「令和の日本型学校教育」を担う教師の人材確保・質向上に関する検討本部」について

萩生田文科相は、1月19日の記者会見で、文部科学省内に「「令和の日本型学校教育」を担う教師の人材確保・質向上に関する検討本部」を立ち上げることを表明しました。 この件に関しては、教育新聞が「「教師を再び憧れの職業に」 文科相、検討本部設置を表明…

4回だけ会えた、学生たちとの授業のこと

今年度、1年間だけ、お引き受けしていた非常勤講師先の大学での授業が終わる。夜遅くに開講される受講者7-8人の小さな授業。 春学期はすべてオンラインだったので学生たちに会うことすらかなわなかったけれど、後期は少しだけ、学生たちに会うことができた…

コンヴィヴィアリティのための家事~KOSUGE1-16《ようこそHouseworks Learning Centerへ》

横浜・日本大通り三塔広場とオンラインで同時開催されていた、「スナックゾウノハナinたばZ」で、KOSUGE1-16による《ようこそ Houseworks Learning Center へ》の関係者の皆さんとのトークが開催されると聞き、さらに、本プロジェクトで上映されているミュー…

ジョージ・オーウェル『動物農場』と『赤い闇』~映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』

『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』を観てきました。 ソビエト連邦がひた隠しにした歴史の闇を照らし出す衝撃作!『赤い闇』予告編 1932-1933年にウクライナで生じた、ソ連による計画的大飢饉「ホロドモール」を取材し記事として発信しようと試みた英国人…

大学内イベントとしてオンライン上映会を開催する~YNUプライド2020「カランコエの花」ZOOM上映会

2020年6月10日に、横浜国立大学・長谷部学長(学長でもあり、ダイバーシティ戦略推進本部長でもある)が「プライド月間 学長メッセージ」(PDF)を公開しました。 「6月は、LGBTQIA等、性的少数者の人権を尊重し、社会の中の多様性を考えるプライド月間です…

大人につきあう、知らない世界にジャンプする~伊藤崇『大人につきあう子どもたち』

伊藤崇先生から、5/26発売予定の新刊『大人につきあう子どもたち:子育てへの文化歴史的アプローチ』(共立出版)をご恵投いただきました。 inn.finnegans-tavern.com ひつじ書房から『学びのエクササイズ 子どもの発達と言葉』(伊藤, 2018)が出版されたと…

遠隔オンライン講義での聴覚障害の学生への対応について、自分ができることを考える

新型コロナウイルス感染予防のため、日本中の大学で、遠隔講義(オンライン講義)への対応が求められています。わたしの勤務先である横浜国立大学でも、4/8に「授業開始に向けたPC等事前準備のお願い」(PDF)が示され、授業は、Office365 Teams、授業支援シ…

格差とか多様性とかを語るための文体~『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』と『みんなの「わがまま」入門』と

ノンフィクション本大賞をはじめ、数多の賞を受賞して話題になっている、ブレイディみかこ(2019)『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』(新潮社)。3月に入って時間ができたこともあり、ようやく読むことができました。 親子でのやりとりが軸になっ…

「物語を旅しよう」のサンプル・シナリオが公開されました

2019年の年度末に、遊学芸・保田琳さんにお願いして、TPRG型物語創作教材『物語の世界を旅しよう』をご制作いただきました。その制作の経緯などについては、以前、このブログの記事でもご紹介しておりますので、ぜひこちらをご覧いただければと思います。 ki…

善意の暴走と「心理学化」~『「発達障害」とされる外国人の子どもたち』

2月末に発売されたばかりの、金春喜(2019)『「発達障害」とされる外国人の子どもたち――フィリピンから来日したきょうだいをめぐる、10人の大人たちの語り』(明石書房)をさっそく入手して、読みました。 本書が発売される少し前に、明石書房のTwitterで本書…

文字が生きていた時代のことを、思い出すために~華雪《和紙に字を植える》

第43回川端康成文学賞・第39回日本SF大賞を受賞した、円城塔の『文字渦』。 その帯には、「昔、文字は本当に生きていたのだと思わないかい?」と書かれていて、本書の新刊が、店舗の店先に並んでいる頃には、この帯の文言を見るたびに、心を打たれた。兵馬俑…

見捨てられた街の「石」と「魔女」の物語~松本美枝子《海を拾う》

メゾン・ケンポクの『何かはある』 の一環として、2020年1月31日(金)~3月1日(日)まで開催されている、松本美枝子《海を拾う》を見てきました。 ホームページなどを見ても、あまり詳しい作品の説明がなく、フライヤーにも、「今回の展示では、日立の人、…

国際子ども図書館「絵本に見るアートの100年」展

昨日1日お休みをいただけたので、国立国会図書館国際子ども図書館で1/19まで開催していた「絵本に見るアートの100年―ダダからニュー・ペインティングまで」展に、すべりこんできました。 今年度から、横浜国立大学附属横浜小学校でいっしょに授業のお話など…

言葉の教育の研究者として授業研究に関わる~石川晋『学校とゆるやかに伴走すること』

先週末、ようやく、教員免許更新講習も終わり、ようやく「万が一、倒れてしまってもどうにかなる」というくらいの予定になってきたので、本棚に入ったまま、開くことすらできずにいた、石川晋(2019)『学校とゆるやかに伴走するということ』(フェミックス)…

アルプスワインの「にじいろ」ワイン

今年は、葡萄が不作であったせいか、11月3日の山梨ヌーヴォーの解禁日に新酒が出そろっていないワイナリーがいくつもあったようで、11月3日に行われた「第33回 かつぬま新酒ワインまつり」では、甲州やベーリーAの新酒が出ていなかったブースがいくつかあり…