kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

アート

わかちあえない記憶をともに支える共同体は可能なのか~サトウアヤコ「日常記憶地図 in 福島県双葉町」

日本質的心理学会・研究交流委員会企画として開催された、サトウアヤコ「日常記憶地図」のワークショップに参加してきました(チラシPDFはこちら)。 日本質的心理学会研究交流委員会企画「日常記憶地図」ワークショップ・フライヤー 【研究交流委員会企画 …

書く。部@「アートセンターをひらく:地域をあそぶ」展~人々の記憶を担うものとしての作品について

水戸芸術館現代美術センター「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」展にひきつづき、「アートセンターをひらく:地域をあそぶ」展でも、「部活動」のひとつとして「書く。部」を実施することになりました。 www.arttowermito.or.jp 「アートセンターをひらく 第Ⅱ…

児童書ビブリオバトル×39アート「この児童書がすごい!@水戸芸術館~ケアリング編」を開催しました

水戸芸術館現代美術ギャラリーにて現在開催中の企画展「ケアリング/マザーフッドー「母」から「他者」のケアを考える現代美術」にあわせて、「ケアリング(caring)」をテーマにした児童書ビブリオバトルを開催しました。その名も、児童書ビブリオバトル×39…

ゲルハルト・リヒター展で教えてもらった、子どもたちの「発見」

10月2日まで、国立近代美術館で開催中のゲルハルト・リヒター展に行ってきました。 www.youtube.com ゲルハルト・リヒター展、皆、観に行くと何かを語らずにはおれないという感じになるのか、オンライン上に、すでにたくさんの記事が溢れていて、いまさら…

「見る」の限界と「見えない」の可能性~松本美枝子《具(つぶさ)にみる》

国際芸術センター青森(ACAC)にて、4/16~6/19まで開催している、松本美枝子《具(つぶさ)にみる》を鑑賞する。 今回の展覧会のご案内をいただいてからずっと、わたしは、タイトルの《具(つぶさ)にみる》という言葉そのものが気になっていた。 それは、私…

饒舌の島で、「語りえぬもの」を蘇らせる~「Sense Island -感覚の島-暗闇の美術島 2021」

2022年1月22日(土)~3月6日(日)まで、猿島(横須賀市)で開催されている、「Sense Island -感覚の島-暗闇の美術島 2021」に行ってきた。www.facebook.com このイベントについては、すでにアート関係のメディアでレビューもいくつか出ていますので、本イベン…

遠くから思いを馳せざるをえない時代のアートー「メゾン・ケンポクの何かはある2020」アーカイブサイト

昨年(2020年)1~3月に開催されていたメゾン・ケンポクの「何かはある」。 メゾン・ケンポクの『何かはある』(メゾン・ケンポク、茨城県北各地) 今年開催が予定されていた「何かはある2021」も、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一部プログラ…

コンヴィヴィアリティのための家事~KOSUGE1-16《ようこそHouseworks Learning Centerへ》

横浜・日本大通り三塔広場とオンラインで同時開催されていた、「スナックゾウノハナinたばZ」で、KOSUGE1-16による《ようこそ Houseworks Learning Center へ》の関係者の皆さんとのトークが開催されると聞き、さらに、本プロジェクトで上映されているミュー…

文字が生きていた時代のことを、思い出すために~華雪《和紙に字を植える》

第43回川端康成文学賞・第39回日本SF大賞を受賞した、円城塔の『文字渦』。 その帯には、「昔、文字は本当に生きていたのだと思わないかい?」と書かれていて、本書の新刊が、店舗の店先に並んでいる頃には、この帯の文言を見るたびに、心を打たれた。兵馬俑…

見捨てられた街の「石」と「魔女」の物語~松本美枝子《海を拾う》

メゾン・ケンポクの『何かはある』 の一環として、2020年1月31日(金)~3月1日(日)まで開催されている、松本美枝子《海を拾う》を見てきました。 ホームページなどを見ても、あまり詳しい作品の説明がなく、フライヤーにも、「今回の展示では、日立の人、…

国際子ども図書館「絵本に見るアートの100年」展

昨日1日お休みをいただけたので、国立国会図書館国際子ども図書館で1/19まで開催していた「絵本に見るアートの100年―ダダからニュー・ペインティングまで」展に、すべりこんできました。 今年度から、横浜国立大学附属横浜小学校でいっしょに授業のお話など…

書く。部@「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」展

水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催されている「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」。本プログラム内の「部活動」として開催されている「書く。部」に、「顧問」として参加しています。 アートセンターをひらく 第Ⅱ期 部活動|現代美術ギャラリー|水戸芸術館 …

見える/見えないの個性と偏りと~視覚に障害がある人との鑑賞ツアー「セッション!」

「大竹伸郎 ビル景 1978-2010」展の企画のひとつとして開催されていた、視覚に障害がある人との鑑賞ツアー「セッション!」に参加してきました。 そのときに、「セッション!」ナビゲーターの白鳥建二さんがすでに、ノンフィクション作家の川内有緒さんたち…

「物語の段階」を遊ぶ!~『じっくりミレー』と鑑賞教育

大学院の授業では、『メディア・リテラシーの教育(ことばの授業づくりハンドブック)』(奥泉香編、2015、渓水社)をテキストにしながら、主に、中学校・高等学校の国語科でのメディアを用いた言葉の教育や、メディア・リテラシーの教育について議論してい…

岡本太郎「太陽の塔」の著作権~こだま芸術祭「太陽の塔プロジェクト」~

埼玉県本庄市・児玉郡エリアで開催されていた「こだま芸術祭」に行ってきました。 kodama-art-festival.info 「こだま芸術祭」は、1969年に設立されたこだま青年会議所の50周年記念事業ということで、公益社団法人こだま青年会議所による主催。 これまでも、…

こども×アート×ワークショップの原点~「ブルーノ・ムナーリ」展@神奈川県立近代美術館葉山

先週末まで、神奈川県立近代美術館葉山で開催されていた、「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」展に行ってた。 「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」展:神奈川県立近代美術館<葉山館> 神奈川県立近代美術館…

「書く。部」によるギャラリーガイド~『チュートリアル:ポスト・ヒューマン時代の歩き方』と『GAME 超人類転生』

水戸芸術館現代美術センター「高校生ウィーク」の一環として開催した連続ワークショップ「書く。部」が、昨日、無事に終了いたしました。 イベントの詳細については、こちらをご覧ください。 書く。部第1回 対話型鑑賞「ハロー・ワールド」展 書く。部第2…

「Tokyo Art Research Lab」初年度成果レポートに寄せて(2011年3月)

「東京アートポイント計画」のスタッフの方々より、インタビューの依頼を受け、アーツカウンシル東京ROOM302まで、行ってきました。 わたしは、2009年度~2010年度、東京文化発信プロジェクト(公益財団法人東京都歴史文化財団)だった頃の、「東京アートポ…

芸術祭遺産の風景~「いちはらアート×ミックス2017」

今週のお題「ゴールデンウィーク2017」。 2017年4月8日(土)から5月14日(日)にかけて千葉県市原市南部エリアで開催されている「いちはらアート×ミックス2017」に行ってきました。 ichihara-artmix.jp 「いちはらアート×ミックス」は、2014年に第1回が開…

切符をなくした子供たちは都市ネットワークの夢を見るか?―北川貴好「地上階には、つながらない邸宅」

2/25(火)から3/1(火)まで東京・池袋エリアで開催されている回遊型の展覧会、北川貴好「地上階には、つながらない邸宅」に参加してきました。 池袋駅からスタートするこの展覧会。参加者は、SNSのメッセージのようなかたちでスマートフォン上に表示さ…

愛とは分け隔てること――趣向『The Game of Poliamory Life』

KAAT(神奈川芸術劇場)で行われた、趣向『THE GAME OF POLIAMORY LIFE』を見てきました。www.kaat.jp The Game of Polyamory Life 「ポリアモリー(Poliamory)」とは、合意のうえで、複数の人々と誠実な愛の関係をもつ恋愛スタイルのこと。・・・いや、恋愛ス…

襲いかかる記憶――「クリテリオム92 土屋紳一」作品制作

今年の2月20日から水戸芸術館にて開催される「クリテリオム92 土屋紳一」展の作品制作に協力するため、水戸芸術館まで行ってきました。 フィルム写真全盛期よりデジタル技術を用いた写真作品の制作に取り組んできた土屋紳一。本展では、カセットテープレコー…

ハーメルンの笛から逃げるための方法について――中島佑太ワークショップ展示@岡本太郎美術館

水戸芸術館現代美術センター・高校生ウィーク「大人部」、および、その後に行われた水戸のキワマリ荘でのトークイベント「よんでみる 11」でお世話になった、アーティストの中島佑太さんが、川崎市岡本太郎美術館の企画展「遊び ひらく 岡本太郎」展のなかで…

誰かのための住処/みんなの公共空間――DenchuLab.一般公開展示

東京都台東区・谷中霊園の近くにある旧・平櫛田中邸で行われたいた若手アーティストによる滞在制作「Denchu Lab.」の公開展示を見にいってきました。 ★若手アーティストによる滞在制作 | Denchu Days_Live Arts and Archives ★プレスリリース(PDF) 平櫛田中…

「ビエンナーレさん」の憂鬱――中之条ビエンナーレと共生の諸問題

中之条ビエンナーレにいってまいりました。 中之条ビエンナーレは、群馬県吾妻郡中之条町で2007年より開催されているアートイベント。 中之条ビエンナーレが、2007年に第1回を開催した際には、参加作家数が58人で来場者数はのべ48,000人。予算も中之条町か…

みんながいなければ、たどりつけない場所――ロクディムフェスティバル

第6回「したまち演劇祭 in 台東」のなかで開催されていた「ロクディムフェスティバル この瞬間を一緒に笑おう」に行ってきました。 ロクディムの皆さんとはじめてお会いしたのは、2011年。東日本大震災があったその年の秋のことです。当時わたしは、現代美…

「遠くにいるあなた」のためのパブリック・リレーションズ

水戸のキワマリ荘で、開催された「よんでみる9 鳥取藝住祭をよんでみる」に参加してきました。 「鳥取藝住祭」は、2014年9月~11月にかけて行われている「アーティスト・イン・レジデンス型の芸術祭」。「土着する文化 住み着く芸術」をテーマに、「芸術が身…

子どもがつくるオルタナティブ・マーケット

Form on Words≪ネクスト・マーケット「ジャングルジム市場」≫ 「地域住民とのコミュニケーションに基づいて、地域の装いを“新たに”作り出す」ことをミッションに掲げたファッションブランド「Form on Words」(HP紹介文より)が、≪ネクスト・マーケット「ジ…

わたしの服のことばのかたち

Form on Words――あなたの「ことば」からつくられる衣服 心待ちにしていた、≪Form on Words≫プロジェクトのリターンが届きました。≪Form on Words≫プロジェクトとは、服づくりを依頼する「あなた」の「ことば」から衣服を作り出すプロジェクト。マイクロ・パ…

Nadegata Instant Partyプロジェクト「全児童自動館」

「児童館」という境界。その横断と専有とカーニヴァル的空間について 2012年3月17日(土)。 各地でさまざまなイベントが実施されたこの日に、アーティスト・イン・児童館2012 Nadegata Instant Partyプロジェクト「全児童自動館」にいってきました。内容に…