kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

研究

ビブリオバトル〜本好きな人たちの楽しみ方を共有する場のデザイン〜

ビブリオバトル初参戦inこすみ図書 先日、墨田区東向島にある「こすみ図書」というスペースで行われた、 折り紙集団ポロロッカ+こすみ図書「折紙展+ビブリオバトル」に参加してきました。こすみ図書は、鳩の街通り商店街という独特の情緒をもった商店街の…

【まとめ】特有の「学びのデザイン」がみられる東京近郊の施設まとめ(1)新しいコンセプトの施設

今年の7月19日に東京大学・中原淳研究室によるUSTトークライブ「フィンランドで見つけた学びのデザイン」がUstream上で放送され、さまざまな議論が行われました。 トークライブのタイトルからわかるとおり、このトークライブは今年の6月に発刊された…

ビブリオバトル〜本好きな人たちの楽しみ方を共有する場のデザイン〜

ビブリオバトル初参戦inこすみ図書 先日、墨田区東向島にある「こすみ図書」というスペースで行われた、 折り紙集団ポロロッカ+こすみ図書「折紙展+ビブリオバトル」に参加してきました。こすみ図書は、鳩の街通り商店街という独特の情緒をもった商店街の…

公開講義「コモンズ・表現規制・ウィキリークス〜情報ガバナンスの未来像」レポート(後半)

前の記事の続きです。 ・・・ところで、シンポジウムでのメモのアップがなかなか出来ずにいたら、「さすがは情報ガバナンス系のシンポジウム!」というべきか、すでにtwilogで実況ツイートが見られるようでしたので、そちらもどうぞご覧ください。特に、ウィキ…

公開講義「コモンズ・表現規制・ウィキリークス〜情報ガバナンスの未来像」レポート(前半)

1月26日に行われた、東京大学公開文化資源学研究専攻公開講義「コモンズ・表現規制・ウィキリークス 〜情報ガバナンスの未来像」に行ってきました。 イベントの趣旨とトピック [日時] 2011年1月26日(水)18時〜20時30分(開場17:30) [会場] 東京大学本郷…

価値(バリュー)を作りつづけること

今週末は体力的にも精神的にも少し余裕があったので、 以前から読みたいと思っていた雑誌や本を少しかじり読みました。まずは事務所帰りに、『BRUTUS』2011年1・15日号(特集:本。2011年、「世の中」を考える175冊)からいくつかの対談記事を。BRUTUS (ブル…

「やおい」と「BL」の間。あるいは、腐女子のプチ世代間闘争

BLをテーマにしたバー「Miracle JumP」がアキバに開店した。 http://www.miraclejump.com/ 誰に対しても言っているが、 わたしは、やおい第1世代〜第2世代の移行期に、オタ女界に入った人間である。 なので、やっぱりこういう記事を見てしまうと、 第2世…

「頭」と「金」と「足」

先日、たまたまゼミに同席させていただいている方から「わたしって研究者に向いていないんでしょうか?」「どうしたらkimistevaさんのように聡明になれるのでしょうか?」と相談(?)のようなお世辞のようなものを受けとる。 巷の適性検査の類で「研究者向…

世界のKitty-guy

今月末に近隣のある中学校の「総合的な学習の時間」で、日本の「キャラクター」について90分程度お話しをさせていただくことになりました。対象は中学1年生約120名。依頼内容は、こんな感じです。 日本におけるキャラクター認識について」(こんなネーミン…

「天使待ち」

あるいは、わたしの研究作法 昨日は、わたしも卒業したT大学N学類の卒論提出日だった。 4年生の卒論提出日が近づいてくる時期というのは、3年生にとっては卒論のための指導教官を選んだり、卒論テーマをぼんやりと決めなければいけない時期でもあるので…

統計に対するクリティカル・リテラシー

授業で、Phyllis Whitin and David J. Whitin "Learning to read the numbers"という論文を読む。この論文は、"Language Arts"という小学校(あるいは幼稚園)の教育者に向けた雑誌なのだが、"Language Arts"といういかにも、(日本でいえば)「国語教育」の…

哲学の無時代的読みかえ:《ベイビー・マルクス》と『まるくすタン』

かなり前、恐ろしく忙しいスケジュールの合間をぬって、横浜トリエンナーレに行った。「今回の横浜トリエンナーレは、何がオススメですか?」と、ふだんあまりアートと関わりのない知人に尋ねられたら、わたしは間違いなく、ペドロ・レイエス《ベイビー・マ…

物語と恋と恋愛と

わたしが人間にとっての「物語」の意味を考えはじめたのは、高校生のときでした。 その当時、わたしの友人だった男の子は、同じくわたしの友人であった女の子に好意を抱いていました。・・・が、そのことをわたしが知ってからずっとずっと二人の関係に変化がな…

「楽しむ」ことを教える

同じ研究室にいる小学校の先生から、「生活文」の指導について相談をもちかけられる。 「『フリーダム・ライターズ』に出てくる子どもたちは、書くことそのものを楽しんで、書いていったわけじゃないですか。そういう書くことそのものが楽しいと思えるような…

「キレイ」と「キタナイ」の政治学

高校生たちが一生懸命やっている、水戸でのプロジェクト。 たまたま、その話し合いに参加させてもらった関係で、メーリングリストの管理者などやっているおかげで、日々、そのプロジェクトの進行にともなう、さまざまな機微が伝わってくる。なんというか、高…

「本はダチ」

先日、学部生のluneさんが、卒論テーマについての相談にきた。池田修氏が考案した*1アイディア発想ツール「イメージの花火」http://homepage.mac.com/ikedaosamu/kokugo/fireworksofimage.htmlを使って、卒業論文でできそうなテーマについてのアイディアをい…

パロディの生成

先日から読んでいる三浦しをん『ロマンス小説の七日間』(角川文庫)の中で、わたしの研究と関わってピピッとくる一節があった。 ロマンス小説は、結局のところ家族小説だ。ヒーローとヒロインが、いかにして幸せな家庭を築いたか、という話だ。これは私のた…

経験の翻訳

前の記事にも書いたドラフトが、ほぼ、完成した頃、id:Asayさんから同人誌『モーニングスター』を送っていただいた。小説の文章が、あいかわらず、すてきであったことは言うまでもないのだけれど、それと同じくらい、あるいはそれ以上に、その同人誌に添えら…

「読書教育の新しい試み」ドラフト完成

「読書教育の新しい試み−オタク文化論的視点から−」という、 冗談かギャグか、はたまた「言いがかり」としかつかないようなタイトルのついた依頼原稿のドラフトが、なんとか、完成した。 今回は、いわゆる「文芸部」の女の子たちの創作の世界観に触れたい、…

研究と実践の間

わたしが属する研究分野は「教科教育学」と名づけられている。 「教育学」…その中でも、「教科教育学」というのは、とかく、研究と実践との間で悩まされる学問分野であると思う。 「教育学」の中でも、「教育哲学」「教育史」という分野は、外側の人間から見…

「書きつづけること」への許可証

2008年8月3日。 日本読書学会の大会にて「読書科学研究奨励賞」という賞をいただきました。賞を受賞すると、受賞スピーチをしなければならないので、 スピーチで何を話すか、ずっと考えていたとき、 わたしの頭の中にあったのは、わたしが通っていた小学校…

「読書離れ」の元凶

現在、とある学会の編集委員会より依頼されて、「読書教育の新しい試み」という小論を書いている。 これまでは、なんとなく、 「読書教育」について語ることができるのは教育実践歴ウン十年の教師や実践家か、読書教育について研究してきた歴ウン十年の教育…

「美術館のアート・ビオトープ」

ついに、水戸芸術館現代美術センターで行った「アートライティング」企画の記録集『アートライティング』ができあがりました。 思い起こせば、この企画が始動したのは昨年の7月。 あっという間にもう1年近くの月日が経過したことになります。わたしはこの…