kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

年賀状づくりの楽しみ

「情報化社会における『著作』概念の問い直し」というとWikiだ、Web2.0だという話になりがちだけれど、わたしが毎年この話題を思い出すのは、なんといっても今の時期である。
「今年も年賀状つくらなきゃなぁ…」と思いたち、ネットサーフィンしながら、フリー素材を探していると、あるとき、ふと、「『著作権』を強固に主張する人々は、なんと卑しい人々なのだろう」と思えてきてしまうのである。

もちろん、ネット上に溢れるフリー素材や、フリーの年賀状デザインも、その多くは、「デザイナー登竜門」として公表されているだけなのかもしれないし、もしその作者たちが商業デザイナーになれば、途端に、「『著作権』を強固に主張する人々」の仲間いりをしてしまうのかもしれない。しかし、そうだとしても、現在、無料で公表され、不特定多数の人々の使用のためにひらかれているイラストやデザインの類を見ていると、「著作権」という近代市民的な考え方とはまったく別の自由な世界を、わたしたちは生きているのではないかと思ってしまう。

秀逸なイラストやデザインのすごさが、作者への金銭的なリプライへとまったく結びつかない世界というか。ある作品そのもの価値が、作者個人の「能力」などへと帰属されるのではなく、作品そのものの価値として流通する世界というか。
これに対し、「著作権」というのは、現在価値あるものを生み出せなくとも「過去の栄光」を経済的なリプライに変換することによって、「過去の栄光」のみで生きることを可能にしてしまうシステムである。そして、それがなんとも「卑しい」と思ってしまうのである。
もちろん、価値ある情報を算出した人物に対し敬意を払うことは必要だ。だが、それをかさに着て、自らが生き残るために自らの著作権を過剰に主張する人々のなんと多いことか。そのあさましさを目にする機会は年ごとに増えているような気さえする。
そんな中、今年も多くの年賀状イラスト・年賀状デザインがネット上にアップされていたのを見て、少しうれしくなった。


…と、そんなわけで、今年わたしが見つけた、ステキな年賀状サイトを紹介しておきたいと思います。
きっと、わたしのブログなんぞに興味を持ってくれる方なら、きっと気にいってくれるはず。


(1)オリジナルゴハン年賀
http://ogn.maxs.jp/
ここのところ毎年お世話になっている、「オリジナルゴハン年賀」のサイト。「侍」「ロボット」「コミックアート」と、毎年わたしを狙い撃ちにしてくれます。わたしにとっては、この上なく有り難いサイトです。
ユニークでポップなデザインの年賀状を作成したい方はぜひ。


(2)INDIVIDUAL LOCKER
ポストカードデザイン・年賀状デザイン – INDIVIDUAL LOCKER
今年見つけたステキなサイト。
ふつうの年賀状フリー素材検索だと、コンビニの年賀状印刷サービスでありがちな、オーソドックスなものばかりを多くとりそろえているので、なかなか、わたしは好きになれないのですが、「オリジナルゴハン年賀」とここのサイトは、デザイン性を重視しているところが好きです。「オリジナルゴハン年賀」が「ユニークさ」と「コミックっぽさ」が売りだとすると、「INDIVIDUAL LOCKER」はまさに「クール」ですね。デザインもシンプルなものが多くて、ステキです。


(3)SHIZUHARA WORLD
SHIZUHARA WORLD
これは、年賀状どうこうではなく、この方の描く「いきもの」たちのイラストが好きなだけなんですけどね…。基本的に、へんないきものとか、まものが好きなので。
年賀状のことでいうと、ここのサイトの売りは、ジブリのパロディ年賀状です。…わたしはまだ使ったことないけど、ぜひ印刷して送ってみたい。特に、「児童文学論」ご担当のK先生に送ってみたい…!!と、例年ムラムラしつつ、まだやってません。どなたか勇気のある方はぜひ。