kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

世界のKitty-guy

今月末に近隣のある中学校の「総合的な学習の時間」で、日本の「キャラクター」について90分程度お話しをさせていただくことになりました。対象は中学1年生約120名。依頼内容は、こんな感じです。

日本におけるキャラクター認識について」(こんなネーミングでは失礼でしょうか
!?)といった内容になるのでしょうか。たとえば,『あなたはどんなキャラクター? 〜イメージからキャラクター創造まで〜』というような題名で,
(1)日本のキャラクター創造の歴史
(2)日本キャラクター人気の謎を解き明かす(なぜ海外でヒットしたのか!?)
(3)人に対するイメージからキャラクター化されるまで
…といった具合に,身近なキャラクターについての専門的な分析を教えてください。さらに,他者を認識する上で気をつけなくてはならないこと(偏見となりがちな勝手な評価など)についても考えさせるような体験(ワークショップ形式)を企画していただくと大変盛り上がるのではないかと思います。

夏に一度、担当の先生にお会いしたときに、「こんなテーマでどうでしょう?」といくつかテーマをもっていったのですが、一番自分自身の研究からはずれたテーマを選ばれてしまって、正直なところ、少し困りました。しかも、120人もいると、生徒たちにいろいろなアクティビティをしてもらいながら進めていくこともできない*1ので、ガッツリ内容を詰めなければなりません。恐ろしい。

とはいえ、「努力でなんとかなるなら、努力してみましょうか」と思い立ってしまうのがわたしの性。・・・実をいうと「(2)だけは、さすがに、どうしようもなかろう」と当初思っていたのですが、先日、数年前にカルチュラル・スタディーズ関係の学会で聞いた学会発表を突然思い出し、その線で説明を試みることにしました。

その学会発表では、「キティちゃん」(「HELLO KITTY」)が現在世界でひとつのブームを巻き起こしていることに触れ、そのブームの中での「キティちゃん」の消費のされかたを「グローカリゼーション」(Glocalization)の視点から分析していました。
言うまでもないかもしれませんが、「グローカリゼーション」とは、「グローバリぜーション」(globalization)+「ローカリゼーション」(localizaion)。つまり、地球普遍的、かつ、地域的・局地的な方向性を持つ運動や現象のことを示します。
「キティちゃん」は、世界各地に広まっているという意味で「グローバリゼーション」の方向で動いているとも言えますが、その地方や人々の局地的な文化によって改変されたり、新たな意味が付け加えたられたりしているという点で、「ローカリゼーション」の方向での動きも見せている・・・ということです。世界各地どこに行っても「夢と魔法の王国」の主人公として君臨する某ネズミ・キャラクターとは大きな違いです。さすがは単なる世界の「自国化」を「グローバリゼーション」と言ってはばからない国のご出身ですね。

そんなこんなで、世界でグローカルに消費されている「キティちゃん」を調べてみようと思い立ち、ネットで探してみたところ、見つけたサイトが、コレ。

One Man's Life With Cute Overload | Hello Kitty Hell

タイトルからして「Hello Kitty Hell」なのだから、スゴイ。
このサイトで紹介されているさまざまな写真を見ていると、「これこそまさに、『Kitty-guy』」と言いたくもなります。ちなみに、そんなタイトルの記事が本当にあったりします。Hello Kitty Guy | Hello Kitty Hellしかも、これ、日本じゃん。

いったい、「キティちゃん」の何が人々を駆り立てるのか、わたしにはいまいちよくわかりません。
「コネコ」が「小悪魔的な女性」の象徴だったり、「ネコ」がセクシュアルな行為の象徴だったりすることと関係するのかしないのかも、いまいちよくわかりません*2・・・が、ともかく、「キティちゃん」が世界の一部の人々の間でブラックに楽しまれていることは事実なようです。

さあ!あなたも明日から、Lets' Kitty Guy !!

*1:その割には、「ワークショップを企画してください」というようなことも書かれていたりしますが

*2:少なくとも、ヘザレットが「キティちゃん」を起用したこととは関係している気がする