kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

防災の日だよ!『SHUFFLE』で遊ぼう!

 大学の授業が8月18日に終了し、成績を提出してようやく一段落・・・と思っていたら、あっという間に9月です。

 9月1日は「防災の日」!

 ・・・というわけで、我が家も防災訓練!・・・はできないのでせめて防災カードゲームで遊んでみました。
 いつもは2人しかいない我が家でしたが、この日は遠路はるばる横浜からやってきていただいたゲストを迎えて計3人。防災カードゲーム『SHUFFLE』ができるギリギリの人数です。
 

災害時に役立つ手順を学ぶ「防災カードゲーム」

 
 さて、この防災カードゲーム『SHUFFLE』ですが、NPO法人プラス・アーツのサイトの「SHOP」からたどっていくと、その詳細を見ることができます。
 我が家にあるのは、たまたま『SHUFFLE』でしたが、紙芝居形式の『なまずの学校』やすごろくゲーム『GURAGURA TOWN』などもあるので、こちらもいずれ試してみたいところ。

 『SHUFFLE』については以下のような説明がされています。

 

 災害時に役立つ知識の手順を学ぶ防災カードゲーム
「SHUFFLE」は、消火器の使い方や災害用伝言ダイヤルの使い方など、災害時に役立つ知識の手順を、ゲームを通して遊びながら自然に身につけることができるカードゲームです。具体的には、様々な防災の知恵・技の手順がイラストで描かれた4枚のカードをゲームの流れの中で「プレーヤーが考えながら正しい順番に並べ直す」ルールになっており、そうした行為を通して手順を覚えられるよう工夫しています。

○推奨人数:3〜8人
○コメント
 子どもはもちろん、大人も楽しく手軽に、防災について学べるカードゲームとしておススメです。

 こういう「学び」系のカードゲームって、よく「大人も楽しく手軽に、○○について学べる」と書いてあるのですが、大抵、そんなに考えずともわかる内容だったりして、これもそんなことだろうとタカをくくっていた参加者3人は、あとで痛い目を見ることとなります・・・。

 ゲームのすすめかたは以下のとおり。

(1)山札から「お題カード」(「ガスメーターの使用方法」「AEDの使い方」などの「お題」が書かれている)がでる。


(2)プレーヤーがそれぞれ同じ「お題」の「手順カード」を各ターン1枚ずつ出す。


(3)たまにプレーヤーがチャレンジカード(他のプレーヤーに様々な指示が出せるカード)を出すので、それによって「お題」が増えたり、カードが取られたり、変えられたり、特定のカードを出さなきゃいけなくなったりする。


(4)ある「お題」について「手順カード」が4枚そろったら、4枚目を出した人が、テーブルに出ている「手順カード」を正しい順番に並べ替える


(5)答えあわせ!→合っていたら3ポイント。間違っていると0ポイント。

 最終的には、プレーヤー全員の手持ちカードがなくなるまで続けていって、1番はじめにカードがなくなった人は10ポイント、2番目の人は8ポイント・・・、最後の人は0ポイントをもらえます。
・・・で、合計ポイントによって勝敗を決める、という流れ。

正しい手順は、意外と、知らない。

 さて、このカードゲームで「学び」の肝になるのは、なんと言っても(4)の「手順カード」を並び替えるところです。

 正直に言いますが、私たち、これ最初かなりバカにしてました。
 だって、「紙食器のつくりかた」なんて、?正方形にする→?正方形を半分に折って三角形にする→?折り筋に角を合わせて折り、もう一方も同じように折る→?残った部分を外側に開いて完成!・・・ですよ。
 そんなのイラスト見れば、わかるわい!・・・と言いたくなるじゃないですか。イラスト見てわからないものでも、よく、説明の文言を読めばかなりきちんと書いてあるので、文章のつながりでわかったりしそうなものです。
 



 しかし、実際にやってみると・・・




 悩みまくる、本日のゲストN氏。
 
 ・・・そして、N氏・・・・・・残念ながら、「消化器の使い方」でノックアウト!
 まあ、他人のことは言えず、わたしも「119番通報」で、「救急ですか?火事ですか?」と聞かれる前に、自分の電話番号を伝えるという過ちを犯したり、他の参加者は電源を入れる前にAEDを作動させようとしたりと、・・・案外めちゃくちゃ。

「防災と言わない防災」

 この他にも難易度が高いものとして、「災害用伝言ダイヤルの使い方」などもあって、これも「AEDの使い方」「消化器の使い方」と同様、かなりテキストを読み込まないと間違えてしまいそう。
 もちろん、このカードゲームで完璧な知識を得ていれば、防災時もバッチリ!・・・とは思わないし、実際、AEDで電源も入れずに動かそうとしたり、ホースを対象に向けずに消化器のレバーを引こうとしたりはしないと思わないんだけど(笑)。


 それでも、このゲームが、「学びのデザイン」として大切なことがあるとしたら、それは、なんとなく、「これを使うときは、手順が複雑そうだぞ!」とか、「これは見たまんまやればなんとかその場でも対応できそう!」とか、そのあたりの感覚をなんとなーく身につけられることにあるんじゃないかと思う。

 
 その中にある理念は、このカードゲームを作ったNPO法人プラス・アーツも協力しつつ、渥美公秀先生の監修のもとに作成された『地震イツモノート〜キモチの防災マニュアル〜』の中で示されている「防災と言わない防災」という言葉にすべて表されている。



『地震イツモノート―阪神・淡路大震災の被災者167人にきいたキモチの防災マニュアル』



 今回は、防災の日だということで(?)『SHUFFLE』をやってみたけれど、これはもちろん、お正月に家族が集まった機会にもやってみることはできる。かなりハードで、サバイバルな人生ゲーム(?)ということで、『GURAGURA TOWN』に興じてみるのも面白そう。



 地震の多い国だからこその「学びのデザイン」ともいえる、カードゲーム『SHUFFLE』。ぜひ、みなさん、トライしてみてください。