はじめて、本を出版することになりました
このたび、ひつじ書房さまから、『集団で言葉を学ぶ/集団の言葉を学ぶ』というタイトルの編著書を出版することになりました。
これまでも、翻訳書の出版にはかかわったことがあったのですが、オリジナルの書籍の出版に関わるのは、はじめて。
なかなか刊行の見込みが立たず、執筆者の先生がたにたくさんのご迷惑をおかけしてしまいましたが、なんとか、2025年1月末頃には、書店の店頭に並べていただくことができそうです。Amazonでも予約が開始したようです。
村上真里奈さんによる、すてきなブックデザイン
まだAmazonのページでは画像が見られないのですが、ひつじ書房さんのXアカウント(@hituzi_gusa)ではすでに、表紙とフライヤーの画像を投稿していただいています(ありがとうございます!)
書店さまへ
— ひつじ書房 (@hituzi_gusa) 2024年12月25日
まもなく刊行です。
『集団で言葉を学ぶ/集団の言葉を学ぶ』
石田喜美編
ISBN 978-4-8234-1250-9https://t.co/a2ujZv63B6
どうぞよろしくお願いします! pic.twitter.com/D7OdZxYs58
ブックデザインを担当してくださったのは、茂呂雄二・伊藤崇・ 新原将義 (編)(2024)『新しい言語心理学』(ひつじ書房)でもブックデザインを担当されている村上真里奈さん!
『新しい言語心理学』は、「実践としての言葉」という視点から、これまでの「言葉」観を解体し、言葉をめぐる実践を通じて社会や文化を構築しなおしていくことを提起しようとした本(だとわたしは思っている)。
その本のコンセプトを、ビジュアル・イメージ化したような表紙画像には、見た瞬間に、心が奪われました。
その『新しい言語心理学』のブックデザインを担当された村上さんに、わたしの本のブックデザインも担当していただけることになり、とても楽しみにしていたところ、わたしが期待していた以上の、すてきな装丁をご提案いただくことができました!

まず、見るからに、とてもかわいらしい!
この表紙画像を見ているだけでも、心が躍ります。
また、それだけでなく、この画像には、本書そのものコンセプトや、本書の内容・構成をしっかり映し出してくれているように思うのです。
たくさんの個性的なフキダシくんたちは左側から右側にむけてタイムライン上に流れていっているようにも、下から上に積みあがっていっているようにも見えます。それぞれ個性あるかたちで発された言葉たちがお互いに応答しあい、反応しあい、重なりあいながらひとつのまとまりを創りあげていく。それぞれの言葉は、ひとつひとつその個性を失うことなく、集団としてのまとまりが創り上げられている。
このなかには、「個」と「集団」とが互いに不可分なものとして、矛盾することなく共存しあっているように、わたしには見えます。
本書で提起したい、言葉やリテラシーの学びの姿は、まさに、そのようなものです。
「個別最適な学びと協働的な学びの一体化」という方針が提示され、「個」の学びと「集団」での学びが、もともと別々なものであるかのような前提で議論が進んでいるかのように見えますが、これらを二項対立的に見なそうとする見方そのものを問い直したい。
そのような思いが、本書のスタート地点にはありました。
なにげない日常に刮目せよ!
書籍紹介文の冒頭には「何気ない日常に刮目せよ! 言葉の学びは、集い、読み書く日々の実践の中にこそある!」と書きました。
私たちが日常的に経験している「言葉の学び」「読み書きの学び」にあらためて目を向け、そこで何が起きているのかをつぶさに記述しようとしたのであれば、おそらくそこに見えてくるのは、「個」の学びだけでも、「集団」の学びだけでもなく、「個」と「集団」とが不可分なものとしてつながりあった学びの姿でしょう。
執筆者の先生がたには、そのような学びの姿を捉えるための理論的知見をご紹介いただくとともに、幼稚園や小学校、通信制高校、学校図書館、ファンダムといった具体的なフィールドでの学びの姿を記述していただいています。
【目次】
序 集団に埋め込まれた言葉へのまなざし
石田喜美第Ⅰ部 コミュニティ参加としての言葉・リテラシーの学び
第1章 教室での出来事を記述する言葉
伊藤崇第2章 集団での言葉の学びはいかに成立するのか―通信制高校での小論文授業におけるリソースの交渉
髙岡佑希第3章 歴史・社会・文化の中のリテラシー―「論理的」を協同でつくる
石田喜美第Ⅱ部 集団で読むことによってもたらされるもの
第4章 集団で読むことはいかに成立するか―絵本の「読み聞かせ」の成立
吉永安里第5章 個–集団の読みを変革する―文学の授業におけるクィアな読みの実践
吉沢夏音第6章 読むことと書くことの集合的な学び―コミュニティをつくる・参加する
岡部大介第Ⅲ部 ハイブリッドな主体、ハイブリッドな学び
第7章 学校図書館において生じるリテラシー―探究学習におけるメディアと仲間の役割
新居池津子第8章 ハイブリッドな集合体という視点
青山征彦第9章 「つながりの学習」が示す視点と集団の学び・集団の言葉の学び
宮澤優弥
もちろん、あらゆるフィールドをとりあげられているわけではなく、本書が見落としている「言葉の学び」「リテラシーの学び」の姿もたくさんあることを、日々、実感しています。
だからこそ、「言葉の学び」「リテラシーの学び」に関心あるさまざまなフィールドの方にお読みいただき、その方々と、本書の議論をベースに、対話や議論をはじめていきたいと考えています。

