kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

ノルディックLARPのミニゲームを体験しよう~『ノルディックLARP体験@TRPGフェス2019』

 今年のTRPGフェスでは、日本RPG学研究会(JARPS)のメンバーとして、「ノルディックLARP(社会・芸術的な教育LARP)体験」のためのシナリオ翻訳や当日の運営サポートなどに関わっておりました。

今回の「ノルディックLARP体験」の中で紹介されたのは、フェミニズムLARP集『#Femnism』より『パジャマパーティ(Slumber Party)』、『マニックピクシードリームガール特殊部隊!(Manic Pixy Dream Girl Commandos)』(以上、#Feminism: A Nano-game Anthlogyより)そして、『LARPS form the Factory』より『辺獄(リンボ)(Limbo)』でした。

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これのゲームの詳細については、上記の記事で紹介してありますが、このたび、シナリオライターの皆さんからのお許しを得て、これらのLARPゲームの日本語版を、オンラインで公開できることになりましたので、あらためて、本文リンク(PDF)とともに、それぞれのゲームの紹介をまとめておきたいと思います。

 

★『ノルディックLARP体験 TRPGフェス2019』(オンライン公開版・日本語翻訳版)(PDF)

https://www.b-ok.de/download/NordicLarpTaiken2019.pdf

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『ノルディックLARP体験 TRPGフェス2019』(日本語版)

 

◆シナリオ1:パジャマ・パーティー(ジョナヤ・ケンパー/作)(『#Feminism』より)

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『パジャマパーティ(Slumber Party)』

友達同士のつながり、思春期の成長、そして社会の中心から取り残された者として生きることについてのLARPです。 あなたは今、「何者」ですか?友達の手助けによって「何者」になれるのでしょうか?
各プレイヤーは、日々、社会から取り残された自分に直面しければならない、複数の女の子キャラクターを演じます(プレイヤー自身の性別は関係ありません)。キャラクターは全員12歳の「負け犬」です。けれども彼女たちには互いに築きあげてきた強いつながりがあります。彼女たちにとって、同世代の他の人たちから人気がないことは、重要ではありません。このLARPでは、彼女たちのうちのひとりの誕生日の日に集まり、パジャマ・パーティを開催するところからプレイがスタートします。彼女たちはパジャマ・パーティで互いの秘密を共有しあい、友情を深めていきます。

キーワード:大人になること、社会から取り残されたアイデンティティセクシュアリティ、人種差別、性差別、友情
プレイヤー定員:4~6名
プレイ時間:60分
持ち物:寝服・パジャマまたはホテルの浴衣を着て会場に来てください。

 

 

◆シナリオ2:マニック・ピクシー・ドリーム・ガール(MPDG)特殊部隊!(リジー・スターク/作)(『#Feminism』より)

 

「マニックピクシードリームガール」(MPDG)は、映画に登場する「お決まりのキャラクター」です。基本的に「ダメ男を元気づける、自由奔放な人生の恋人」と定義されています(「マニックピクシードリームガール」『デジタル大辞泉』)。

プレイヤーの演じるキャラクターはSTEM(科学、技術、工学、数学/医学)の分野で働きたいと思っている女性(キャラクターは女性ですが、プレイヤー自身の性別は関係ありません)。しかし、彼女には、自分自身の選んだ分野で大学院に通うだけの金銭的な余裕がありませんでした。しかし軍隊が、大学院教育のための費用を支払ってくれるというので、彼女は軍に入隊することを決心します。軍の上官は、彼女を「マニックピクシードリームガール特殊部隊(MPDG特殊部隊)」に任命しました。このLARPでプレイヤーたちは、MPDG特殊部隊チームの最後のミッションをプレイします。ミッションに成功すれば、服務期間を終えて、民間人としての生活に戻り、希望する大学院に学費免除で進学することができます。

もし失敗したら?――ああ、なんてことでしょう!このチームには、失敗なんて言葉はないのです!

キーワード: ひらかれた場、見知らぬ人との出会い、チームワーク、荒唐無稽なミッション
プレイヤー定員:4~5名
プレイ時間:45分
持ち物:カラフルなウィッグやサングラス、パンクピンなど、元気な女の子キャラクターをイメージしたアクセサリー、セーラー服やミリタリー服などをお持ちの方は、ぜひ会場に持ってきてください。

 

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フラッシュモブ的なダンスまである!すごいLARPでした

◆シナリオ3:辺獄(リンボ)~忘れ去られた場所(トアー・シェティル・エドランド作)

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辺獄(リンボ)の案内人。プレイヤーは行き先チケットを提示されます

「辺獄(リンボ)」とは、キリスト教で、死後、地獄には行かないが、キリストの贖いによって救われるまでは天国に行けない人がとどまると考えられた場所。時空を超越した場所、生と死の間に存在するとされるこの場所が、このLARPの舞台です。再び命ある世界に戻るか、死の向こう側にある未知に直面するか、今までの人生について考える「待合室」です。キャラクターは、現代社会からこの世界へとやって来た、生と死との間をさまよう人たちの集団です。

キーワード:実存的選択、夢、未知への不安、精神性
プレイヤー定員:6~12名
プレイ時間:120分
持ち物:白色・淡色系のTシャツとハーフパンツなど、生と死の間にあるどこでもない場所(忘れられた場所)をイメージした衣服、または死者をイメージできる衣装(白い着物・浴衣)を着て会場に来てください。

 

プレイヤーの皆さんからのレポートや感想については、こちらのtogetterまとめをご参照ください。わたしもおいおい、気づいたことをブログにまとめていきたいと思います。

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