山頂から富士山の見える山を多く有する神奈川県に引っ越してきてはや2年以上。
これまでまったく登山を経験したことがなかったので、「初心者・ファミリー向け」「子連れ登山」におすすめと噂の丹沢大山に行ってきました。
「山ガール」向けのサイトでは、大山阿夫利神社から表参道(?)を通って本社まで行き、そのまま同じコースを引き返すコースが提案されていたのですが、このコースはちょっと(いや相当)危険だと思います。
今回、私たちは、こちらのサイトでおすすめされていた、大山阿夫利神社から表参道(?)を使って頂上本社に登山した後、見晴台コースを使って下山するコースを選びました。
見晴らし台コースは、ところどころ危険な山道もありますが、表賛同(?)に比べて、舗装されている登山道も多く、道も比較的広いので、初心者や家族連れはこちらのコースを往復したほうが良いように思います。
大山阿夫利神社内に入り口が設けられた表賛同からの同登山道は舗装されていない道も多く、道もかなり狭いです。
人がすれ違うことが難しい場所も多々。
また、ゴールデンウィークや紅葉の季節など、人が多い時期にいった場合、登山道そのものはそれほど危険でなくても、登山する人たちがたくさんいることで、しかも登山に慣れていない初心者や家族連れがその中に多くいることで、それまでには生じなかったような事故が生じることも予想されます。
以前、竹田城が、テレビCM等を通じて一躍有名になり、年間50万人以上の人々が訪れるようになったことで、それまでには想定され得なかったような転落事故や、冬の登山道での転倒事故などが起きたことが問題になりました。
富士山での遭難件数も、相変わらず多いようで(2016年度の遭難事故件数は、世界遺産登録の年に次いで多かったようです)、「登山ブーム」によって初心者や家族連れの登山客がますます増える中、それぞれの山が登山客を迎える際のキャパシティをどう考えるか、登山客にどのように注意を促していくか、という問題がさらにクローズアップされていくのではないか、と思いました。
大山登山は、「神奈川で子連れ登山!富士山が見える山おすすめ3選」として紹介されるなど、かなり「初心者向け」「ファミリー向け」「子ども向け」と謳われているようです。
日本山岳遺産基金による「親子登山のススメ」では、はじめて子どもと行く登山の目安として、「高低差400~600メートルほど」「歩行時間3~5時間程度」が推奨されているので、丹沢大山は、子どもとはじめていく登山でもおすすめということになります。
だけど、この目安には、人が大勢押し寄せること(しかもそこには初心者や家族連れがたくさん含まれる)によるリスクが考えられていないと思います。
「初心者向け」「ファミリー向け」であることを謳い、広報すれば、そこには、たくさんの初心者や家族連れ、子どもたちが集い、それによって登山のリスクは高まります。
そのようなリスクも想定したうえで、登山すべき山を選定したり、推奨したりしていかないと、「想定していなかった」と言われるような事故がもっと増えていくのではないか。
…そんなことを思わずにいられなかった初の大山登山でした。