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Literacy, Culture and contemporary learning

「ひらく」ためのウィキペディア ~ウィキペディアタウン in 茨城

7月22日に茨城県立図書館で、開催された「ウィキペディアタウン in 茨城」に参加してきました。

茨城県立図書館での初のウィキペディアタウン!」と聞いて、「あれ?以前、水戸で開催していなかったっけ?」と思ったのですが、あれは、茨城県立図書館ではなく、水戸市立図書館での開催だったのですね。今回の講師でもある小池隆さんのresearchmapにしっかりそちらの情報も掲載されていました。

小池 隆 (Takashi Koike) - 社会貢献活動 - researchmap

 

今回、記事執筆の対象となったのは、茨城県立図書館から徒歩3~5分くらいのところにある水戸市水道低区配水塔

ja.wikipedia.org

水戸市水道低区配水塔」といえば、水戸芸術館現代美術センター「高校生ウィーク2013」のときに、「面白建築研究会」のまちあるきの中でも来訪した、あのファンシーでカワイイ建築物じゃないですか!

水戸市水道低区配水塔を訪問する面白建築研究会(「高校生ウィーク アーカイ部」より)

高校生ウィーク2013「面白建築研究会」の成果物である「面白建築地図」には、残念ながら取り上げられていない、水戸市水道低区配水塔ですが、わたしのなかでは、クイーン・シャトー(当時)と並んで、水戸市内で好きな建造物ベスト5には入る大好きな建物です。

そんな水戸市水道低区配水塔の内部に入れる!ということを事前情報で聞き、当日は本当にワクワクでした。

そして当日はそれ以上のサプライズ(?)もあり、水戸市水道局の方から直々に、笠原水道から始まり近代水道の導入へと至る水戸市エリアの水道の歴史をじっくりお聞きしたあとに、これまた水道局のスタッフの方直々に、配水塔内部のご案内をいただくという贅沢ツアー!神奈川への移住が決まった際、地名に「水道」が入るか否かで、引越先を判断してきたわたしにとっては、贅沢すぎる時間でした。

外側のパイプから水が酔上がるかたちで上部のタンクへ、その後、中央のパイプから水が下に降りていく構造になっていたらしいです。

水戸市水道低区配水塔・内部写真(2階部分)

 

1階部分では、外側のパイプはかなり離れた位置に設置されているのですが、2階部分では、それが中央部分へと折れ曲がり、より中央のパイプに近い位置で水が上がっていくようになっています。

水戸市水道低区配水塔・2階部分パイプ

水道局の方が「ペットボトルと同じような構造」と説明していた、中央パイプ付近。

水戸市水道低区配水塔・2階中央パイプ部分

内部には、こんな網戸らしきものも。ご案内いただいた水道局の方にお聞きしたところ、窓にはっていた網戸でしょう、とういことでした。内部に熱がこもりやすいので、網戸をはっていたということなのかもしれません。

水戸市水道低区配水塔内部にあった網戸

お聞きしたところ、水戸市水道局のスタッフでもこの配水塔の内部に入ることは、あまりないらしく、ましてや、外部の人間が入ることはほとんどないそうです。
そんな「閉じられた」場所が、「ウィキペディアタウン」という名目のもとに、まったくの外部者に「ひらかれる」ということが、とても面白いと思いました。

わたしが社会に出てはじめて仕事をしたところでは、ふだんほとんど人が立ち入れなくなってしまった「閉じられた」場所を、「アート」という名目で「ひらく」活動をいくつか行ってきましたが、「ウィキペディアタウン」も同じように、閉じられた場所を「ひらく」ための「鍵」として活用できるのかもしれません。

思い出してみれば、これまで参加してきたウィキペディアイベントでも、直接的に、閉じられた施設の内部に立ち入る、というのではなくても、ほとんど人が寄り付かなくなってしまった資料がどここから引っ張りだされてきて、参加者が「こんな資料があったの!?」と面白がる姿を何度か見てきました。

閉じられた場所。閉じられた資料。

それらにアクセスすることは、なかなか、一人の個人の力では難しい。だからこそ、「ウィキペディアタウン」のようなイベントのかたちにして、それらを開いていく、オープンにしていくことに、大きな意義がありそうです。

はじめて対面のエディタソンに参加してから1年とちょっと、一人でも執筆・編集できるはずのウィキペディアを、みんなで集まって書くことにどんな意味があるんだろう?そこに集まる人たちは、なにを求め、なにを喜びと感じているんだろう?という問いをずっと考えていますが、今回また、そこにひとつ新しい側面を見た気がします。

 

新しい側面に光があたって、また違った意味が見えるようになることって、楽しい。

ウィキペディアの執筆・編集に関しては、「永遠の初心者」からぬけられるきざしがまったくなく、場にふさわしくない質問や発言を繰り返してしまっていることに反省ばかりですが…そんなわたしでも参加させていただけていることに、感謝。

願わくは、ほんの少しでも、なにか貢献できるようになれますように。