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kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

【保存版】レポート・論文で「問い」を立てられないときのヒント

今週のお題「書くこと」

…というわけで、レポート・論文を「書くこと」をサポートする仕事をしているので、この機会に、レポート・論文(卒業論文を含む)を書くために便利なWEBサービスやWEBサイトのまとめをしておきたいと思います。

もちろん、「レポートや論文ってどう書けばいいの?」と悩んでいる方は、日本全国に数多いらっしゃるので、すでにそういう悩みに答えるいくつかのまとめページは存在しています。

 

★〔大学生必見〕レポートの書き方〔文系科目〕〔一般教養〕 - NAVER まとめ

 そもそも「レポート」とは何なのか?から説明されているページ。

「小論文・感想文とレポートはどう違うのか?」「どのような順序で考えていけばレポートが書けるのか?」もおさえられているので、まずは全体像をイメージしたいという方に、便利なまとめ。

 

★【レポート・論文・卒論】知っておくと便利な情報収集サービスまとめ - NAVER まとめ

上に紹介したサイトで言うところの「まず、『問い』(=問題)を考えよう」と「文献を調べよう」の活動に取り組むにあたって、その活動をサポートしてくれる便利サイトが紹介されている。

 

★レポートの書き方に関する大学授業(リテラシー演習)の補足情報まとめ - NAVER まとめ

「レポートの書き方」と書かれているけれど、「メールの書き方」も含めて、かなり細かなプロセスで、レポート作成の際に知っておくと便利な情報が網羅されている。はじめに紹介したまとめページとこのページに紹介されている情報を押さえておくと、レポートを書く際には何を行えば良いのか、何に気を付ければよいのかが見えてくるはず。

 

ですので、これだけ抑えておけばたいていの人は、レポート・論文を書けてしまうと思われるわけですが、実際に授業で教えてみると、案外、思わぬところでつまづいてしまう学生が多いも事実です。

 

特に問題になるのは、「問い(=問題)を考える」ステップ。

まずこの段階を経ないと、次の段階にいけないわけですが、なかなかこのステップがクリアできないというのが正直なところです。

 

「問い」を考えられない理由はさまざまですが、多くの方は、「問い」を考えるためにキーワードを増やす段階でつまづいてしまうようです。

 

例えば、「インターネットについて自由に論じなさい」という課題が出たとすると、「インターネット」というキーワードから、いくつか関連するキーワードを派生させて、「問い」を考えていけると良いのですが、それが難しいのですね。これは自由にテーマを決めるタイプの卒業論文でも同様で、「アニメが好きなので、アニメについて卒論を書きたいです!」という方が、「アニメ」以外にキーワードを思いつくことができず、いつまでたっても、「アニメについて(仮)」というタイトルから抜け出せない…ということもけっこう、あります。

 

「インターネット」なら「インターネット」、「アニメ」なら「アニメ」から関連するキーワードをたくさん連想して、そこから2つなり3つなりのキーワードを選びながら、「問い」を考えていけると良いのですが、そこが難しい…ということのようです。

 

ですので、「問い」を考えたいのだけれどもキーワードが増やせない、どこから考えていったら良いかわからない…というかたが、先を考えていくためのヒントになりそうなことを、書いてみたいと思います。

 

【1:連想でキーワードを広げる】

キーワードは思いつけないけれど、連想するのはそれほど不得意ではない、という方がたまにいます。おそらく、「レポートを書く」「論文を書く」という最終目標のためにいろいろ考えすぎてしまうのでしょう。

 

そのような方には、まず「レポートを書く」「論文を書く」という最終目標を、一度、横において、キーワードを広げるためだけの活動を行ってみることを提案します。

ひとつのキーワードから他の関連ワードを発想していくためのツールは、いくつかありますが、ここではNHK『テストの花道』でもとりあげられていた、「イメージの花火」を紹介します。

 

★NHK テストの花道 - 過去の放送 - 「発想するチカラ(1)~「広げる」の段~」

 

こちらのサイトに「イメージの花火」への取り組み方も丁寧に書いてあるので、具体的なやり方はサイトを参照してください。

簡単に言ってしまうと、9マスの正方形を9個並べたワークシートを作成し、中央にある正方形の真ん中のマスに与えらえたキーワード(上記の例でいえば「インターネット」「アニメ」)を書きます。

その後、真ん中のキーワードから発想されるキーワードを正方形の外側のマスに下記、さらにその発想されたワードを外側の正方形の中央のマスに書きそこから発想されるワードをその外側に書き…という順番で正方形を埋めていきます。

「制限時間6分」と決めて、発想の連鎖を止めないようにとにかく思いつくままできるだけたくさん書くことで、発想を広げていくという方法です。

 

「イメージの花火」をやってみる際には、池田修先生が作成されたワークシートを使ってみるのが便利です。こちらのサイトからPDFファイルでダウンロードできますので、ぜひ「やってみよう!」と思った方はダウンロードしてみてください。

 

 【2:辞書・事典で調べてキーワードを広げる】

「イメージの花火」をやってみると、人によって得意不得意が分かれることがわかります。連想するのが好きな人、連想するのが得意な人はすぐにたくさんのマスを埋めていくことができるのですが、連想があまり得意でない人は中央の正方形を埋めるだけでも精一杯のようです。

また、連想が得意な方であっても、連想によって出てきた言葉がいまいち、レポート・論文に合わないと感じることもあるでしょう。

連想によってでてくるキーワードは、どうしても、自分自身の知っていることの範囲に限定されるので、レポートや論文で議論していくような「深さ」に欠けることも多いです。

そのような場合には、小学校・中学校時代の「調べ学習」で習ったとおり、辞書や事典を調べて、そこで書かれている内容をもとに、キーワードを広げていきましょう。

「調べ学習」での調べ方に関する本はいくつか出版されていて、大学生であっても、これらを見直してみることで、レポート・論文を書く際のヒントを得られます。こちらにご紹介するのは、赤木かんこさんの『テーマって…どうやってきめるの? (図書館へいこう!) 』ですが、この他にもいくつか、小学生・中学生向けの調べ方の本がありますので、自分にあったものを見てみるのも良いかもしれません。

 

 

これらの本の中にも書かれている方法は、以下のとおりです。

 

① 辞書や事典でキーワードを調べる。

② 辞書や事典の説明の中から、さらにキーワードを見つける。

③ ②で見つけたキーワードを調べる

④ ①~③の繰り返しで、キーワードを広げていく。

⑤ キーワードを3つくらい見つけたところで、それらを組み合わせることで、調べるためのテーマを決める。

 

これらの本の中では、図書館の中にある辞書や事典が想定されていますが、いまや、オンライン上で豊富な辞書・事典が使用できる時代です。ですので、これらを利用しながら、①~⑤の手順で、キーワードを広げ、テーマを決めることも簡単にできるわけです。

わたしがよくおすすめしているのは、以下のサイト。与えられたテーマ、自分が取り組んでみたいテーマに応じて使うべき辞書・事典サービスを選んでみるのも良いと思います。

 

★コトバンク - 時事問題、ニュースもわかるネット百科事典 kotobank

タイトルにもあるとおり、時事用語に強い百科事典なので、現代の問題について取り組みたい場合には何といっても「コトバンク」が便利。百科事典や国語辞典も検索できるので、まずは「コトバンク」で検索をかけてみることをおすすめします。

 

★辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書

コトバンク」が時事用語に強いのに対し、Weblio辞書は「657の専門辞書や国語辞典、百科事典から一度に検索する辞書サイト」と説明があるとおり、様々なオンライン上の専門辞書・用語辞典などからも検索できるところが強み。

 

【3:「リサーチ・ナビ」の関連キーワード検索で広げる】

自分自身の連想でもキーワードが広がらず、また、様々な理由で辞書・事典を調べてもそれほどキーワードが広がらなかった…という場合もあります。
そのような場合、最後の手段として大きな手助けをしてくれるのが、国立国会図書館「リサーチ・ナビ」です。

 


リサーチ・ナビ

 

「リサーチ・ナビの使い方」のページにも記載されていますが、「リサーチ・ナビ」のページのトップにある検索窓に、キーワードを入れて検索すると、関連キーワードを図解化して示してくれます。

 

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例えば、この検索窓(「思いついたキーワードを入れてください」と書かれた部分)に「アニメ」と入れて検索してみると…

 

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このようなかたちで、関連ワードが表示されます。ここに示したのは一部分で、下のスケールの部分を左右に動かすと、さらに別の広がりをもった関連ワードが示されます。

「リサーチ・ナビ」の便利なところは、大学で用いられるようなアカデミックな言葉とのつながりを示してくれるところです。たとえば、「アニメ」の検索結果として示された図の中にも「ポストモダニズム」という用語が示されていますが、学生がひとりで考えようと思ってもなかなかこのワードには辿り着きません。

「リサーチ・ナビ」で出た検索結果をもとに、そこで示されたキーワードを辞書や事典で検索してみると、さらに調べられるテーマの広がりが見えてきます。

 

このように、1~3を組み合わせながら、1~3を何度か往復していくことで、レポート・論文でどのようなテーマを設定することが可能なのかが見えてきますし、そのテーマを「5W1H」の問いのかたちで整理していくことで、「問い」を考えていくこともできます。

 

レポート・論文の「問い」を考えるためには、まず、キーワードを広げ、それをつなげながら整理していくこと。

「問い」を立てられずに困っている皆さん。まずはここにお示ししたオンラインサービスを使って、自分の課題となっているキーワードから、どのような関連ワードが生み出せるのか、考えてみてください。