kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

2008-01-01から1年間の記事一覧

小学校「外国語活動」の欺瞞

現在、小学校教員認定試験対策のため、 平成20年3月に告示された新学習指導要領を読んでいます。 多くの方はすでにご存じだと思いますが、 新学習指導要領から、小学校に新しい領域「外国語活動」が加えられました。 この「外国語活動」の「内容」のひとつ…

研究と実践の間

わたしが属する研究分野は「教科教育学」と名づけられている。 「教育学」…その中でも、「教科教育学」というのは、とかく、研究と実践との間で悩まされる学問分野であると思う。 「教育学」の中でも、「教育哲学」「教育史」という分野は、外側の人間から見…

オリジナルTシャツにムラムラする

以前、友人から貸してもらった瀧波ユカリ『臨死!!江古田ちゃん』は、ひとりの20代後半女性として、いろいろしみじみと感じいるところがありました。臨死!! 江古田ちゃん(1) (アフタヌーンKC)作者: 瀧波ユカリ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/04/21メデ…

「評論」の社会的役割

わたしが担当すべきすべての審査過程を終えたので、 そろそろ書いてもよい頃かと思われるが、 先日、ある御方からのご紹介をいただいて、生涯ではじめて、ラジオ番組の審査員をすることになった。 さて、ラジオ番組の審査員であるからには、自分が聞いたラジ…

「書きつづけること」への許可証

2008年8月3日。 日本読書学会の大会にて「読書科学研究奨励賞」という賞をいただきました。賞を受賞すると、受賞スピーチをしなければならないので、 スピーチで何を話すか、ずっと考えていたとき、 わたしの頭の中にあったのは、わたしが通っていた小学校…

介護現場の混沌:阿部真大『働きすぎる若者たち―「自分探し」の果てに―』

阿部真大『搾取される若者たち−バイク便ライダーは見た!』(集英社新書)を、良質なエスノグラフィとして高く評価していたので、『働きすぎる若者たち―「自分探し」の果てに―』(生活人新書)を読んでみた。働きすぎる若者たち―「自分探し」の果てに (生活…

「読書離れ」の元凶

現在、とある学会の編集委員会より依頼されて、「読書教育の新しい試み」という小論を書いている。 これまでは、なんとなく、 「読書教育」について語ることができるのは教育実践歴ウン十年の教師や実践家か、読書教育について研究してきた歴ウン十年の教育…

「美術館のアート・ビオトープ」

ついに、水戸芸術館現代美術センターで行った「アートライティング」企画の記録集『アートライティング』ができあがりました。 思い起こせば、この企画が始動したのは昨年の7月。 あっという間にもう1年近くの月日が経過したことになります。わたしはこの…