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kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

「アライ系腐女子」の生きる道――横浜レインボーフェスタLGBT2015――

セクシュアルマイノリティと児童文学 サブカル 教育

「横浜レインボーフェスタ LGBT2015」に参加してきました。

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【画像】横浜レインボーフェスタLGBT 2015 最速レポート - Letibee Life

【画像】横浜レインボーフェスタLGBT 2015 2日目 最速レポート - Letibee Life

 

実は、わたくし、「東京国際ゲイ&レズビアン映画祭」には何度か行ったことがあるものの、映画祭以外のLGBT系イベントに参加するのは、初めて。

 

映画祭だけに参加してきた理由は、とっても簡単!

「東京国際ゲイ&レズビアン映画祭」は、けっこう腐女子(&腐男子)フレンドリーであることを積極的に打ち出してくださっているのです。すでに10年前には公募プログラムの中で、自称・腐女子でもある渡辺直美監督による、腐女子たちの青春ストーリー『青春801あり!』を上映してくださっています

また、昨年3月には、スタッフブログの中にこんな記事も掲載してくださっていたりして、「やおい・BLは単なるファンタジーとはいえ、ゲイの皆さまへの暴力・搾取でることは重々承知しております。でも(ファンタジーとはいえ)好きだからこそ、なにかお役に立ちたいとは思ってるんです!本当です!でも、ごめんなさい!」と日々申し訳ない気持ちでいっぱいになっている、わたしのような「ごめんなさい」系腐女子の皆さんには、とてもとてもありがたい存在なのです。

「BL班」まで作ってくださるなんて・・・もはや、腐女子側としても「それでいいんですか?」と言いたくなります。映画祭のスタッフの皆さん、本当にありがとうございます。

tilgff.seesaa.net

 

一方、こちらの記事にも書かれているとおり、「BL目線の「萌え」目当てだと、失礼なんじゃないか?」という気ちは常に持っておりますので、単に映画を鑑賞するだけの映画祭はともかく、セクシュアル・マイノリティ当事者の皆さんが集まって、自分の友達・仲間を見つけたり、自分たちの生活の今後のために活動をしたりする場に参加するのは、(いくら動機そのものは、「応援・サポートするためにもっと知りたい」という気持ちであっても)よくないんじゃないか、そもそもノンケが行くのは場違いなんじゃないか・・・、と思っていたのでした。

 

そんなこんなで二の足を踏むこと、はや10年。

偶然4月から移住してきた横浜で、初のLGBTイベントが開催されるということもあり、また、一緒に行こうと声をかけてくださった方もいたので、不安な心を持ちながらも参加してみたわけですが・・・・・・なんか、わたしの不安はまったく不要だったようです。

 

まず、「ノンケが行くのは場違いなのでは?」という心配は、まったく不要だったことに、すぐ気づきました。

会場の公式グッズには、自分自身がLGBT当事者であることを示す缶バッジやシールだけでなく、自分自身がLGBTフレンドリーであること、すなわち、「アライ」(=アライアンスalliance)であることを示すグッズも並列して売られていたのです。
LGBT当事者でなくても、「アライ」としてその場に参加することができる。そういうメッセージがそこには存在しているのだなぁ、と思いました。

★NHKオンライン | 虹色 - LGBT特設サイト | 連載 | 今月のアライさん

 

そして、「LGBT当事者として悩んでいるわけでもないのに・・・」という不安も不要だったようです。考えてみれば当たり前のことかもしれませんが、セクシュアル・マイノリティ当事者の皆さんも含めて、みんな、「人生に悩んでいて・・・」とか「LGBTが差別される社会を変えるために・・・」とか、そんな真面目な動機を全面に押し出して参加しているわけではありませんでした。

もちろんそういう思いをもって参加されている方もいるのだろうし、ただ楽しみに来ている人たちも多かれ少なかれ、みんなどこかにそういう気持ちはあって来ているのだと思います。

が、その場の雰囲気だけからいうと、けっこうみんな、「萌え」的欲望まるだし(?)で、自分が楽しみたいから来てます!という感じだし、実際、すごく楽しそうです。

会場に到着してはじめてみたステージは、FtM(Female to Male. 身体は女性であるが、性自認が男性。または女性から男性に性転換した人々)のダンスチーム「X-Ways」。

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こちらは、関西LGBT成人式のときのダンス・パフォーマンス動画だそうですが、こんな感じでかっこいい。

 

男性用の下着・水着ブランド「AQUX(アックス)」によるファッションショーもあったのですが、「ぬぎます!ぬぎます!」という事前に聞いていた宣伝文句のとおり、細マッチョの美しい男性の皆さんがやたら脱いでは歩いたり踊ったりしていて、目の保養でございました。

このポール・ダンスも(簡略版ですが)見られました。本当です。まさか、こんなところにきて細マッチョ男子のポール・ダンスが見られるとは思いませんでした。・・・なんだかいろいろすごい。

そしてそれを見に来るお客様方の熱の入りようもまたすごかったです。

 

これとはまったく異なる欲望(!)全開感が見られたのが、初日の最後のほうに行われたFtMアイドル・ユニット「SECRET GUYZ」によるステージ。

「AQUX」のときは男性たちが客席にひしめいていたと思ったのですが、いつの間にやらペンライトを手にした女子の皆さんが客席を取り囲んでいました!

 ここまでステージをいろいろ見ていると、「萌え」的欲望だろうがなんだろうが、こうやってステージを楽しく見ていることそのものが、「運動」なんじゃないか、と思えてきます。

 

以前、このブログの記事でもとりあげたトリーシャ・ローズ『ブラック・ノイズ』の黒人女性ラップを述べた章の中で、黒人女性ラッパーたちがつくりだすライブ空間そのものが、ひとつの運動であり、黒人女性たちにとっての公共的な空間であるのだと述べられていたことを思い出します。
もちろん、パフォーマンス・ショーに出てくる人たちの中には、セクシュアル・マイノリティである人もそうでない人もいるけれど、そういう様々な人たちが混在するライブの場そのものが、ひとつの公共的な対話の場を作り出している――そんな気がしました。

 

今回の参加は、わたしにとってとても大きな一歩でした。

あらためてこれから、「アライ系腐女子」の生きる道を探っていきたいと思います。