kimilab journal

Literacy, Culture and contemporary learning

4回だけ会えた、学生たちとの授業のこと

今年度、1年間だけ、お引き受けしていた非常勤講師先の大学での授業が終わる。
夜遅くに開講される受講者7-8人の小さな授業。

 

春学期はすべてオンラインだったので学生たちに会うことすらかなわなかったけれど、後期は少しだけ、学生たちに会うことができた。

年明けに予定されていた対面授業は、緊急事態宣言発令の影響で、急遽、オンラインに変更になり、5回予定されていた対面授業は、4回に減ってしまった。たった4回だけ、だったけれども、それでも、その時間は、とてもかけがえなかった。

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羅生門

4回だけの「会える」時間によって、そのほかの10回以上の時間の意味が本当に大きくかわった。

最終回の授業は、学生たちに、同じ授業を受けているメンバーにおすすめしたい本を紹介しあう「ビブリオバトル」。


「チャンプ本」を獲得したのは、糸井重里『思えば、孤独は美しい』

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なんだか、いろいろこの1年間のことを考えさせられた。

オンライン授業の後、ミーティングルームを退出する学生たちを見送っていたら、最後にひとりの学生が残って、

「実は、途中から、教員になるのは辞めようと思ったんだけど、この授業で、みんなといろいろ話したりするのが楽しくて、授業だけは受けちゃいました」といってくれる。

その学生がわざわざ残ってそれを言ってくれた主たるねらいは、「期末レポートを出さなくてもいいか」と質問をするためだったのだけど、それでも、すごくうれしかった。

わたしたちの時間は、たしかに、そこにあったのだ。


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